4日から17日まで、MLB最大12球団と面談
米球界への挑戦を表明している横浜高の織田翔希投手(3年)が、11月4日からメジャー球団との面談を始める。巨人から3位指名を受けたチームメートの池田聖摩内野手の指名あいさつがあった2日、同校の村田浩明監督が明らかにした。
面談するのは最大12球団で、ドジャース、ヤンキース、メッツ、パドレス、フィリーズ、アストロズなどの関係者が同校を訪れ、対面で話をする。現時点で最後の面談は17日の予定。10月中旬にNPB12球団と面談したときは1球団約30分だったが、今回は「しっかり時間をかけて」と1球団1時間〜1時間半に設定した。保護者(母)も同席する(スポニチ、サンスポ)。
村田監督は「人生の中で大きな決断をしますので、"しっかり話を聞いてこい"と話をしています」と説明し、「日本人選手がいるところの球団は知っていますが、実際の中身はまったくわからないので。そこをしっかり聞けたらいいなと思います」と話した。
織田は10月上旬に青森で行われた国民スポーツ大会のあとに渡米し、メジャーの試合や大学の環境を視察していたことも明かされた。村田監督は「本人が米国のイメージを見に行くことができたし、感じることができたので。国体が終わらないとなかなか動けないというのがルール上あったので、国体が終わってすぐに行っています」と話している。帰国後の10月15日に会見を開き、メジャー球団とのマイナー契約や米大学への進学を含めて米球界に挑戦する意向を表明した。
巨人とは「控えさせていただきます」
巨人との面談は日程が決まっていない。村田監督は「本人はアメリカのことしか考えていないので、いまはジャイアンツのことは光栄なことですが…というところ。未定ですね」と説明し、「これから(MLB球団との)面談があるので、申し訳ございませんが控えさせていただきます」と話した。巨人との接触は「全くない」という(中日スポーツ)。
巨人は指名あいさつの時期も決まっておらず、動向を慎重に見守る構えだ(スポーツ報知)。水野編成本部長は指名時に「これからゆっくり織田君も考えていただいて。我々は誠意を尽くしていくだけです」と話し、松井秀喜新監督も「私が行くことによって逆に迷惑になる場合もあるかもしれないので、そこは慎重に、彼の気持ちを第一に考えていきたいと思っています」と語っていた。
村田監督「僕が彼の人生を止めるわけにはいかない」
村田監督自身は、NPBを経てから米国へ挑戦してほしいという思いも持っていた。ドラフト前にはその考えを本人に伝え、話し合いは白熱したという。それでも、U-18日本代表として世界の舞台を経験したことで、米国への思いは強くなった。
村田監督は「世界一になりたい思いが彼を奮い立たせて、決断に至った。僕が彼の人生を止めるわけにはいかない」(日刊スポーツ)、「織田を指名していただいたというのは、もう感謝の気持ちでしかないんですけども、やはり本人の人生なので。私はもう本人の人生の選択を後押しする、支えることしかできないので」(スポーツ報知)と、教え子の決断を尊重する考えを示した。
本人の気持ちは「変わっていない。これからの面談をすごく楽しみにしている」。メジャーは今オフにロックアウトに入る可能性があるが、「『覚悟はあります』と。何月だろうが、意思を貫き通すと言っている」という。一方で「顔にニキビができたりして、そりゃ大変だよなという話はしています。でも自分自身が決断したことなんで。自分自身が納得することを大事にして」と、18歳の重圧も気づかった。
ロックアウトと「空白期間」の不安
米球界を選んだ場合、メジャー球団と契約できるのは国際アマチュア選手の契約が解禁される来年1月15日(日本時間16日)以降になる。不安材料は、12月1日(同2日)に労使協定が失効したあとのロックアウトだ。スポニチによると、マイナー契約は原則として対象外になる見込みだが、MLB側が導入を求める国際ドラフトを含めた労使交渉の行方によっては、国際アマチュア選手の契約が凍結される可能性もある。米大学を選んだ場合も入学は来年9月で、実戦から離れる期間ができるおそれがある。
なお、巨人の交渉期限は来年3月31日まで。
米メディアは「ドジャース有利」、韓国紙も特集
面談の開始を受けて、海外メディアも相次いで報じた。
ドジャースの地元メディア「ドジャースウエー」は2日(日本時間3日)、ドジャースとヤンキースの争奪戦になるとしたうえで、ドジャースが圧倒的に有利だと伝えた。大谷翔平との契約が山本由伸や佐々木朗希の獲得につながったという日本選手の受け入れ実績に加え、織田の好きな選手が山本で、インスタグラムでフォローしているメジャー球団がドジャースだけであることを挙げた。佐々木麟太郎(スタンフォード大からマーリンズがドラフト指名)や森井翔太郎(アスレチックスと契約)の例から、日本のトップ選手がNPBを通らずに米国を目指す流れも指摘。金銭面では、NPBの新人契約金の上限が約64万ドル(1億円)なのに対し、ドジャースの昨年の国際アマチュア選手の契約金の総枠は720万ドルで、織田との契約には300万〜500万ドルが必要だとするスカウトの見方を紹介した(中日スポーツ)。
米メディア「ヘビー」も、ヤンキースとドジャースが「怪物」の獲得を争っていると報道。NPBを飛ばして米国へ進めば「NPBというリーグに対する『侮辱』とも受け取られかねない」としつつ、巨人がそれでも1位で指名し、ヤンキースのレジェンドでもある松井秀喜を監督に招いたことを「彼を納得させるための強力なアピール」と書いた。ただ「織田の意志は固まっているようで、米国行きという決断を覆す可能性は低い」との見方だ(東スポWEB)。
韓国の朝鮮日報(英語版)は3日、「織田翔希が読売ジャイアンツを拒否、メジャー12球団の争奪戦へ」と特集した。織田はU-18日本代表でメジャー球団のスカウトが注目する選手たちを目にして米国行きを夢見るようになったと紹介し、「米国へ向かう流れは、実質的に以前の状態へ戻れないところまで来ている。いまや、最大の焦点は織田がどのチームのユニホームに袖を通すかに移った」と結んだ(中日スポーツ)。
BASEBALL KINGのコラム「白球つれづれ」は、佐藤輝明(阪神)、平良海馬(西武)、伊藤大海(日本ハム)らのメジャー挑戦と並べて織田の例を取り上げ、「もう、アマチュア有望選手イコール日本のドラフトと言う図式すら当てはまらない時代に突入している」と書いている。
過去の大谷、菊池の例
高校生がドラフト前後にメジャー球団と面談した例には、2012年の花巻東・大谷翔平と2009年の同・菊池雄星がある(スポニチ)。
- 大谷翔平(2012年): ドジャース、レンジャーズ、レッドソックスと同校で面談。ドラフトで1位指名した日本ハムは11月26日に栗山監督が直接出向き、いったん交渉は終わったが、12月3日に再び交渉し、9日に大谷が入団を表明した。
- 菊池雄星(2009年): 10月16日から米8球団を含む日米20球団と面談。ドラフト会議4日前の10月25日に、米国行きを断念すると表明した。
織田は面談を終えたあとに進路を決めることになる。米メディアがドジャース入りを最有力とした10月下旬の報道は、【ドラフト】巨人1位の横浜・織田翔希、米メディアが「ドジャース入りが最有力」と報道にまとめている。
選手プロフィール
- 所属: 横浜高
- 生年月日: 2008年6月3日(福岡・北九州市出身)
- 身長/体重: 186cm/81kg
- 投打: 右投右打
- 最速: 157キロ(3年夏の甲子園で大会最速の156キロ)
- ドラフト: 2026年 巨人1位(単独)
出典
- [スポーツ報知] 横浜・織田翔希が4日からMLB12球団と面談開始「本人の人生」「選択を後押し」村田浩明監督が明かす…巨人との面談は未定のまま
- [スポーツ報知] 横浜・織田翔希、国スポ終了後に渡米していた「米国のイメージは見に行くことができた」村田浩明監督が明かす
- [サンスポ] 横浜高・織田翔希、メジャー最大12球団と4日から17日まで面談 強行1位指名した巨人との面談は村田監督「控えさせていただきます」
- [Yahoo!ニュース] 横浜 織田翔希は「顔にニキビができたりして…」村田監督が明かした18歳の現状「そりゃ大変だよな」MLB球団との面談は母も同席「納得してほしい」
- [日刊スポーツ] 横浜・織田翔希が4日からMLB球団と面談へ、ドジャースなど12球団予定 巨人との交渉は未定
- [スポニチ] 横浜・織田 4日からドジャース、ヤンキースなどMLB12球団と面談へ
- [スポーツ報知] 【巨人】ドラ1・織田翔希への指名あいさつ時期は未定…引き続き動向を見守る構え
- [中日スポーツ(Yahoo!ニュース)] 米メディア「織田翔希の争奪戦、ドジャースとヤンキースの一騎打ち。それでもドジャースが圧倒的に有利」理由は実績、潮流、そして金銭
- [東スポWEB(Yahoo!ニュース)] 【MLB】織田争奪戦は東西名門の一騎打ちか「ヤンキースとドジャースが『怪物』を欲している」と米報道
- [中日スポーツ] 『織田翔希が巨人を拒否』韓国メディアも驚き「米国へ向かう流れ、実質的に以前の状態へ戻れないところまで来ている」と警鐘
- [BASEBALL KING(Yahoo!ニュース)] 大物選手流失と球界の地殻変動【白球つれづれ】