阪神タイガースが2026年のドラフトで指名した9人を、支配下7人・育成2人まで一人ずつ紹介します。ドラフト採点の記事・動画では指名の組み合わせを中心に振り返りましたが、本稿では選手一人ひとりの魅力を、できるだけ丁寧に見ていきます。
まず今季の成績と、指名選手を加えたポジション×年齢のデプス表から、どういう狙いの指名に見えるかを整理します。そのうえで、直近の成績と球団の評価をもとに9人を紹介します。
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| 順位 | 選手 | 所属 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 榊原七斗 | 明治大 | 外野手 |
| 2位 | 馬場拓海 | 日本体育大 | 投手 |
| 3位 | 常深颯大 | 大阪経済大 | 投手 |
| 4位 | 相羽寛太 | ヤマハ | 内野手 |
| 5位 | 的場吏玖 | 天理大 | 投手 |
| 6位 | 越川海翔 | 東京ガス | 捕手 |
| 7位 | 石井康輝 | 徳島インディゴソックス | 投手 |
| 育成1位 | 山下健信 | 徳島インディゴソックス | 投手 |
| 育成2位 | 荒木誠也 | 徳島インディゴソックス | 投手 |
投手6人、外野手・内野手・捕手が1人ずつ。徳島インディゴソックスからは、育成を含めて3人の投手を指名しました。
指名前のチーム状況:優勝、防御率はリーグ最良
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阪神は今季、79勝62敗2分でセ・リーグ優勝。チーム防御率2.79はリーグで最も良く、得点も518でリーグ2位でした。
いまの一軍の弱い場所を急いで埋めるというより、強さを続けるための選手をどう揃えるか。そんな目線で見ると、今年の指名は分かりやすい気がします。
デプス表で見る指名の狙い
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指名選手を加えたデプス表です。支配下・育成を含む指名後の一覧で、年齢は2027年3月末時点。2026年の成績は指名前のチーム状況、表は指名後の並びを示しています。
外野手:近本の存在を前提に、センターの選択肢を増やす
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近本光司選手という大黒柱がいる一方、デプス表では32歳の行になります。もちろん今すぐ後を任せるという話ではありません。昨年指名した岡城快生選手も含め、若いセンター候補を何人か育てて競争させられるようにしておきたいところです。
そこに、大学でセンターを守り、打撃でも長打がある榊原選手を1位で加えました。近本選手の存在を前提に、将来の選択肢を増やす指名として、かなり楽しみです。
捕手:30代のベテランが並ぶ中に社会人捕手
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捕手は、坂本誠志郎選手、梅野隆太郎選手、伏見寅威選手と、経験のある選手が30代に並んでいます。若い捕手もいますが、その間に社会人の越川選手を加えたのは、次の一軍捕手をめぐる競争を厚くするためと考えられそうです。越川選手には送球という分かりやすい武器があり、6位で指名できたのは面白いと思います。
二遊間:守備評価の高い社会人遊撃手
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ショートには小幡竜平選手らがいます。そこへ守備評価の高い社会人の相羽選手が加わり、内野の競争もさらに活発になりそうです。
投手:タイプの違う6人
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投手は今季の防御率がリーグ最良なので、補強が急務だったと言い切るのは違うと思います。それでも、投手は毎年同じ顔ぶれだけで一年を戦えるわけではありません。
サイドの馬場投手、左の常深投手、先発候補の的場投手、救援型の石井投手。さらに徳島から山下投手と荒木投手を育成で指名して、違う武器を持つ投手を6人揃えました。徳島から3人の投手の交渉権を得たところに、阪神がそれぞれの可能性を見ていたことがうかがえます。
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今回の指名の見立て
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今の強さに甘えることなく、センター、捕手、遊撃に次の競争相手を加え、投手の層も増やした。デプス表からは、数年先まで意識した指名に見えます。これはあくまで私の見立てで、球団の正式な編成方針ではありません。球団がどう育てるのかも見ながら、一人ずつ紹介していきます。
成績の見方
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奪三振率と四死球率は、投球回を9イニングにそろえた数字です。OPSは出塁率と長打率を足した打撃の目安です。各スライドの上部に対象の大会と試合数を載せています。大学・社会人の一部は一球速報の収録試合を集計したもので、全試合を網羅した数字ではありません。
1位 榊原七斗(明治大・外野手)
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報徳学園から明治大に進み、大学ではセンターを任されてきました。球団は走攻守が高いレベルでそろったリードオフマンと評価しています。173センチと大柄ではありませんが長打力もあり、高校時代に投手を経験した強い肩も魅力に挙げています。
一球速報に収録された2026年の試合では、22試合で打率.295、3本塁打、出塁率.371。長打率は.455でOPSは.826です。センターを守る選手として、出塁と長打の両方を見られるのが魅力です。3番・4番でも起用されており、リードオフマン以外の可能性もあります。
近本選手がいる阪神で、すぐにセンターの定位置を取ると決めつけるつもりはありません。ただ、センターを守れる若い選手を今のうちに指名できたのは大きく、競争の中で打席を増やしていく姿が楽しみです。球団は即戦力としても期待しています。
指名直後のコメントは【ドラフト】阪神単独1位・明大の榊原七斗「早い段階でゴールデングラブ賞を」にまとめています。
2位 馬場拓海(日本体育大・投手)
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サイドハンドというと打者をかわしていく投手を想像するかもしれませんが、馬場投手には最速150キロを超える直球の強さがあります。球団も、変則的な角度からの速球に加え、多彩な変化球と試合をつくる力を評価しています。
2026年春の首都大学リーグでは4試合に登板して3試合に先発し、15イニングで防御率1.20、12奪三振、与四球3。秋は連盟公式の成績で10登板37回、防御率0.97でした。一球速報が集計する今年の対象大会全体では56回で43奪三振、奪三振率6.91、四死球率2.57です。
直球の勢いだけに頼らず投球を組み立てられるのが面白いところで、右打者にとってはあの角度で速い球が来るのはかなり厄介だと思います。阪神の先発陣は層が厚いですが、馬場投手のフォームはほかの右腕と違う選択肢になります。球団は特定の起用法を明言していないので、先発で長い回を投げるのか、救援で持ち味を出すのかにも注目したいです。
3位 常深颯大(大阪経済大・投手)
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明石商業から大学に進み、先発として経験を積んできた左腕です。球団は、バランスのいいフォームから直球と変化球を狙ったところへ投げられる、試合づくりのうまい即戦力候補と評価しています。
今年の関西六大学リーグでは、春に42回1/3を投げて54奪三振、与四球6。秋も42回で40奪三振、与四球5、防御率2.14でした。春秋を合わせると84回1/3で94奪三振、四球は11個。奪三振率10.03、四死球率2.13と、三振を取れて四球が少ない。左腕としてこの両方を数字で示しているのは心強いです。
球速だけで押し切るというより、コースと球種を使って勝負できる投手です。プロでも自分の投球を組み立てられるか、早い段階から一軍で見られたら楽しみです。
4位 相羽寛太(ヤマハ・内野手)
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社会人でショートを守ってきた選手です。球団は軽いフットワーク、強い肩、安定した送球を高く評価し、そのうえで広角に打てる勝負強い打撃も挙げています。守備のいい内野手という一言だけではもったいない選手です。
一球速報に収録された2025年の試合では、20試合で打率.409、3本塁打、出塁率.423、長打率.682でOPS1.105。日本選手権では打撃賞も受賞しました。今年の収録分は13試合で打率.271、OPS.678。対象試合は限られるので、年度と対象試合を分けて見ておきたいところです。
阪神の内野には実績のある選手がいますが、遊撃を守れて打撃でも存在感を出せる選手が加わるのは頼もしいです。まずは守備で安心感を見せ、打席で昨年のような強さを発揮してくれたら、一軍の競争がさらに面白くなりそうです。
5位 的場吏玖(天理大・投手)
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186センチの高さから角度のある直球を投げ込み、変化球も使える右腕です。球団は、両サイドに投げ切れる制球力と、先発ローテーションを担える完成度を評価しています。
2026年春の阪神大学リーグでは、7登板のうち6試合で先発。45回1/3を投げて防御率0.99、44奪三振、2完投、1完封でした。今年の対象大会全体では104回2/3を投げて12勝無敗、防御率1.12。奪三振率7.05という数字より、長い回を投げ切る力が目に留まります。
この順位で入った投手としては先発経験が豊富で、球団が先発ローテーション候補とはっきり言っているのも期待の表れだと思います。プロの打者を相手に、角度のある直球と変化球でどこまで試合をつくれるかを見たいです。
6位 越川海翔(東京ガス・捕手)
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関西大から社会人に進んだ、右投げ左打ちの捕手です。球団がまず強調しているのは二塁への送球で、肩の強さだけでなくスローイングの安定感まで高く評価しています。打撃についても、コンタクト能力と一振りで仕留められる力を挙げています。
一球速報で確認できる今年の打撃記録は11試合で28打数5安打。出塁率.167、長打率.214、OPS.381ですが、収録試合が少なく、犠飛2本を含むため出塁率が打率より低くなっています。この数字だけで社会人での打力や、捕手としての価値を決めることはできません。
阪神は捕手陣の次の世代を考えていく時期でもあります。6位で守りの武器が明確な社会人捕手を加えられたことは、将来の選択肢を増やしてくれます。配球や投手との信頼関係を積み重ねながら、一軍で強い送球を見せてほしいです。
7位 石井康輝(徳島インディゴソックス・投手)
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最速150キロを超える直球を投げ込み、変化球でも空振りを奪える力投派です。球団は救援、さらには抑えの候補として期待しています。
今季の四国アイランドリーグplusでは42試合に登板し、73回1/3で81奪三振、5セーブ(防御率3.44)。奪三振率は9.94と高い一方、四死球率は4.17。ここを少し抑えられれば、三振を取れる武器がさらに生きそうです。登板数の多さからも、徳島でリリーフを任されてきたことが伝わります。
阪神の救援陣は競争が激しいですが、まずは自分の球で空振りを取るところを見せてほしいです。
育成1位 山下健信(徳島インディゴソックス・投手)
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球団は、球持ちの良さと、低めでも打者の手元で力を失わない直球を評価しています。変化球も多く、試合をつくれるうえ、まだ伸びしろもあるという見立てです。
今季の四国アイランドリーグplusでは23試合で73回1/3を投げ、防御率1.35、98奪三振。奪三振率は12.03と、かなり目を引く数字です。四死球率は3.31で、突出した部分と今後さらに磨ける部分の両方があります。
球団は試合づくりを評価していますが、これだけ三振を奪えるなら救援で力を発揮する姿も想像できます。プロの環境で持ち味を磨き、どの役割が一番合うかを見つけてほしい。育成から支配下へ上がってくるときにどんな投手になっているのか、楽しみな一人です。
育成2位 荒木誠也(徳島インディゴソックス・投手)
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球団は最速150キロを超える直球の球威と、それをコーナーに投げ切る制球力を評価しています。速い球を持つだけでなく、試合を組み立てられる右腕です。
今季の四国アイランドリーグplusでは16試合に登板し、69イニングで防御率1.57、53奪三振。奪三振率6.91、四死球率2.87で、山下投手と比べると、三振を量産する形よりも失点を抑える投球が特徴として見えてきます。
球団は将来の先発ローテーション候補と明言しています。育成指名ですが、目指す場所ははっきりしています。先発としての力を一つずつ積み上げて、将来は甲子園で長いイニングを任される投手になってほしいです。
まとめ:センターの将来を見据え、投手の層を厚くした9人
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榊原選手はセンター、相羽選手はショート、越川選手は捕手と、野手はそれぞれ守る場所と持ち味がはっきりしています。投手は、馬場投手のサイドからの速球、常深投手の制球、的場投手の先発としての完成度、石井投手の救援での奪三振力。そして徳島から育成指名された山下投手と荒木投手にも、違う形の伸びしろがあります。
特に面白いと思ったのは、上位でセンターの将来を見ながら、下位と育成では投手の層をしっかり厚くしているところです。いま強い阪神が、数年先まで見据えて選手をそろえたドラフトに感じます。
球団が発表した9人のスカウト評と指名当日の動きは、ニュース記事【阪神】1位は明大・榊原七斗、支配下の高校生指名は18年ぶりゼロにまとめています。
この9人の中で、みなさんが特に楽しみにしている選手は誰でしょうか。
出典
- [NPB公式] 2026年 セントラル・リーグ 勝敗表/チーム打撃成績/チーム投手成績
- [NPB公式] 2026年 ドラフト会議 阪神指名選手
- [阪神タイガース公式] 2026年ドラフト会議 指名速報
- [一球速報] 榊原七斗/馬場拓海/常深颯大/相羽寛太/的場吏玖/越川海翔
- [四国アイランドリーグplus公式] 2026年 投手成績(石井康輝・山下健信・荒木誠也)
- デプス表:npb-depth-chart(2026年指名後、育成選手を含む。年齢は2027年3月末時点)
※スライドの選手写真はモザイク加工しています。写真の出典は各スライドに記載しています。成績はスライドに記した年度・大会・対象試合に基づき、一球速報の収録は全試合を網羅したものではありません。デプス表の先発・救援などの区分は現時点の整理で、将来の起用を決めるものではありません。