「ベストケースのシナリオ通りに進んだ」
DeNAの長谷川竜也編成部長が、ドラフト翌日のインタビューで今年の指名を振り返った。「理想的すぎて一番起こる確率が低いと思っていた、ベストケースのシナリオ通りに進みました。100点満点に近いドラフトだったと思います」。
DeNAは10月22日のドラフト会議で7人を指名した(育成指名はなし)。内訳は投手3人、内野手1人、外野手2人、捕手1人。ドラフト前に木村洋太球団社長兼チーム統括本部長が示した「層の厚みをもたらす指名」という方針について、長谷川氏は「方針通り、特定のポジションに偏ることなく指名することができました。単に一軍戦力になればいいというわけではなく、長い間、チームの中心になってくれる選手たち」と話した。
今年は12球団がすべて1位指名を事前に公表しない異例のドラフトだった。「他球団の1位の表明がないからといって、我々の評価する選手がブレるということはありませんでした。とはいえ周りの状況により、どういう選手が指名できるのかといったシミュレーションには例年にないほど準備と時間をかけましたね」。
1位・星野は「文句なしの今年のナンバーワン左腕」
単独1位で指名したのは、大阪商業大の星野世那投手。今年の関西六大学リーグで春はMVP、秋は最優秀防御率に輝いたエースだ。
「うちとしては文句なしの今年のナンバーワン左腕でした。とにかく“タフ”という言葉が彼を一番表していて、身体的な部分はもちろん精神的な部分のタフさも評価しています。ベース上でのボールの強さは圧巻で、左右関係なく内を突くこともできる」。今春、大商大のブルペンを訪れた際には「わたしはもちろん一緒にいたスカウト陣も『すごいな』と圧倒されました」という。
長谷川氏が星野をはっきり認識したのは、2年生のときの全日本大学選手権の早大戦だった。「抜群のピッチングを見せていて誰だこの選手は、と思いましたね。聞けば、近江高の山田陽翔選手(西武)の陰に隠れていた選手だと知りました」。指名あいさつでも話をし、「1位指名という看板を背負っても、しっかりそこに向き合って野球ができる選手だと確信しました。いい意味で狡猾さや切り替えの早さを持ち合わせているので、非常に実戦向きですし、すぐにチームに溶け込んでくれると思います」と期待を込めた。
星野の指名直後のコメントは【ドラフト】DeNA単独1位・大商大の星野世那「時が止まったよう」 相川監督「出来れば抽選はしたくなかった」にまとめている。
2位・保西は「大・社も含めて今年のナンバーワン内野手」
2位は日本航空石川の保西雅則。最速153キロの投手でもあり、高校通算15本塁打の打撃と二刀流でプレーしてきたが、DeNAは内野手として指名した。DeNAが高卒のスラッガーを本指名するのは久しぶりだ。
「我々としては大・社も含めて今年のナンバーワン内野手として評価しています。なによりも彼の素晴らしいところは、高校生なら誰もが一旦は気を抜くであろう夏以降も順調に成長しているところです」と長谷川氏。野手の練習時間を増やしたことで三塁の守備が見違えるように良くなり、視察した八馬幹典アマスカウティンググループリーダーは「これまで見てきた高校生のバッティング練習で一番すごい!」と興奮して連絡してきたという。
「うちの2位の順番ではさすがに残っていないだろうと思っていたのですが、彼と縁がつながったことは本当に幸運で運命を感じました。将来はベイスターズばかりではなく、日本球界を背負うスラッガーに育てていかなければならないと考えています」。
保西本人は指名の瞬間に涙を浮かべ、「自分が思っていたよりも高い評価だったのでとてもうれしいです」。ポジションには「こだわりはなく、球団に評価していただける方で精一杯頑張っていきたい」とし、目標には「打者なら牧秀悟選手、ピッチャーなら山﨑康晃選手」を挙げた(スポーツ報知)。
指名7選手
| 順位 | 選手 | 所属・位置 | 評価・特徴(要旨) |
|---|---|---|---|
| 1位 | 星野 世那 | 大阪商業大・投手 | 「文句なしの今年のナンバーワン左腕」。心身のタフさと、ベース上での球の強さ(長谷川編成部長) |
| 2位 | 保西 雅則 | 日本航空石川高・内野手 | 「大・社も含めて今年のナンバーワン内野手」。夏以降も成長を続けた(長谷川編成部長) |
| 3位 | 杉本 寛斎 | ブリティッシュコロンビア大・外野手 | 高校年代からカナダに渡った「逆輸入」の選手。スケールの大きい野手 |
| 4位 | 小金井 凌生 | 青森大・投手 | 変則タイプの大学生右腕。今秋の北東北リーグで最優秀防御率とベストナイン |
| 5位 | 木口 永翔 | 上武大・投手 | 変則タイプの大学生右腕 |
| 6位 | 神里 陸 | ENEOS・捕手 | 社会人の捕手 |
| 7位 | 坂口 渉 | Honda・外野手 | 社会人の野手 |
3位以下について、長谷川氏のインタビューは後編で公開されている。3位の杉本は、ドラフト前にNPB球団のスカウトが複数視察していた。
外部の評価は「B」「70点」
野球ライターの西尾典文氏は、DeNAの指名を総合B(即戦力・将来性・戦略もすべてB)と採点した。星野については「多くの大学生左腕が秋に調子を落とす中で1年を通じて安定した投球を見せており、ルーキーイヤーからある程度の戦力として期待できる」と評価。2位と3位でスケールの大きい野手、4位と5位で変則タイプの大学生投手、6位と7位で社会人の捕手と野手と「満遍なく補強ポイントを指名」したとした。
一方で、別の採点(70点)では、3位の杉本について「フィジカル的なポテンシャルの高さを評価してのことだと思われるが、対応力などは疑問が残り、年齢的にもそこまで若くないだけにこの順位が高かった印象」と指摘。「外野を守っていない坂口渉(Honda)を外野手として指名している点も違和感を覚えた」とも書いている。
出典
- [Yahoo!ニュース] “強行指名”騒動のウラで…「ベストなシナリオ、100点満点ドラフト」DeNA編成部長が自信の指名を全解説「上位は文句なしのNo.1左腕とNo.1内野手」
- [スポーツ報知] 【ドラフト】日本航空石川の二刀流・保西雅則はDeNA2位 目標は「打者なら牧秀悟選手、投手なら山﨑康晃選手」ポジションは「球団に評価してもらっている方で」
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