横浜DeNAベイスターズが2026年のドラフトで指名した7人を、一人ずつ紹介します。ドラフト採点の記事・動画では12球団の指名を点数で振り返りましたが、本稿では採点よりも、選手一人ひとりの魅力と球団の期待に焦点を当てます。
進め方は2段階です。まず今季の成績と、指名選手を加えたポジション×年齢のデプス表から、この指名にどんな狙いがありそうかを整理します。そのうえで、直近の成績と球団の評価をもとに7人を紹介します。球団の狙いについては、長谷川竜也編成部長へのインタビュー(Number Web)も参考にしました。
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DeNAは今年、支配下で7人を指名し、育成ドラフトでの指名はありませんでした。投手3人、野手4人です。
| 順位 | 選手 | 所属 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 星野世那 | 大阪商業大 | 投手 |
| 2位 | 保西雅則 | 日本航空石川高 | 内野手 |
| 3位 | 杉本寛斎 | ブリティッシュコロンビア大 | 外野手 |
| 4位 | 小金井凌生 | 青森大 | 投手 |
| 5位 | 木口永翔 | 上武大 | 投手 |
| 6位 | 神里陸 | ENEOS | 捕手 |
| 7位 | 坂口渉 | Honda | 外野手 |
指名前のチーム状況:得点はリーグ最多、投手陣には厚みがほしい
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DeNAは今季、71勝69敗3分でセ・リーグ3位。557得点はリーグ最多、125本塁打もリーグ最多タイでした。打線がまったく打てなかったから大型野手を慌てて取りにいった、というわけではありません。
一方、チーム防御率は3.27でリーグ3位。勝ち切るためには、投手陣の厚みがもっとほしいところだったと思います。
デプス表で見る指名の狙い
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指名選手を加えたデプス表です。支配下・育成を含む指名後の一覧で、年齢は2027年3月末時点。2026年の成績は指名前のチーム状況、表は指名後の並びを示しています。
投手:先発争いに2人、救援に1人
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先発には東克樹投手をはじめ、すでに若い投手もいます。「先発が誰もいない」という状況ではありません。そこに22歳の列で星野投手と小金井投手が加わります。長谷川編成部長は、この2人を先発争いに、木口投手を救援として期待していると話しています。
星野投手は左腕の強い球、小金井投手は長身サイドの角度、木口投手は直球の球威。同じ投手3人でも、それぞれ役割が違うのが面白いところです。
野手:宮﨑・牧の次の世代と、将来のセンター
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野手は、現在の得点力と数年先の主力づくりを分けて考えたいところです。三塁には宮﨑敏郎選手という大きな存在がいて、牧秀悟選手も打線の中心です。その次の世代に、長打で中軸を打てる選手が育てば大きい。2位の保西選手と3位の杉本選手には、将来の打線を変える可能性を見たのだと感じました。
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外野手の欄は「センターを守れる選手」だけを分けた表ではありません。梶原昂希選手や蝦名達夫選手らもいる中で、杉本選手を外野手として指名しました。長谷川編成部長は、杉本選手を将来のセンターとして期待していると明言しています。
ドラフト採点の記事・動画では「センター候補を指名しなかったのが不思議」と書きましたが、球団は杉本選手にその役割を見ていたことが分かり、見立てを改めました。
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捕手は松尾汐恩選手らがいるところに、神里選手が加わります。
編成部長が語った指名の狙い
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こう見ると、先発と救援の役割を分けながら、将来の中軸やセンターにも大きく賭けたドラフトです。編成部長は、すぐに使えるかだけでなく、長くチームの中心になる可能性を重視したと話しています。大学生や社会人も即戦力と決めつけず、ファームで土台をつくる考え方だといいます。
育成指名がなかったのは、本指名のあとに獲得したい選手が残っていなかったことと、一人ずつ向き合う環境を優先したためだそうです。来年以降の育成指名を否定したわけではありません。
成績の見方
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投手の奪三振率と四死球率は、9イニング投げたときの数に直したものです。野手のOPSは、出塁率と長打率を足した打撃の目安です。大会によって集計範囲が違うので、各スライドの上部に対象の年度・大会・試合数を載せています。社会人・高校の一球速報の収録は全試合ではありません。
1位 星野世那(大阪商業大・投手)
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近江高校では山田陽翔投手(西武)と同じチームで、大学に進んでから大きく評価を上げた左腕です。
今年の関西六大学リーグでは、春に6試合で4勝、41イニングを投げて防御率1.32。チームの優勝を支えて最優秀選手に選ばれました。秋も防御率0.94で最優秀防御率賞。最後のリーグ戦でも結果を残しました。
一球速報が収録した今年の対象4大会全体では、83回で84奪三振。奪三振率は9.11、四死球率は2.71です。春秋のリーグ成績とは範囲が違いますが、三振を取る力も数字に表れています。
球団が挙げる武器は、打者の手元で力のある直球と、抜けのいいチェンジアップ。編成部長は、体も気持ちもタフな点を特に評価しています。球速の数字だけで語る投手ではなく、左腕の直球と変化球の組み合わせで打者を抑えるタイプだと思います。
編成部長が星野投手を強く印象に残したのは、大学2年時の全日本大学選手権だったそうです。3年時にはけがで投げられない時期もありましたが、その後の成長を見続け、今年の左腕で最も高く評価していました。
先発と救援のどちらでも力を発揮できそうですが、私はまず先発として、東投手に続く左の柱を目指す姿を見たいです。
2位 保西雅則(日本航空石川高・内野手)
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189センチ、104キロ。まず体格に目がいきますが、球団が最も期待しているのは内野手としての打撃です。編成部長は、大学生や社会人も含めて今年最も高く評価した内野手だと話しており、2位まで残っていたのは球団にとっても予想外だったようです。
投手として150キロを超える球を投げる肩もあります。打つだけの大型選手ではなく、夏以降は三塁守備と打撃の両方が伸び、球団は成長を続ける姿勢も評価しています。
公開されている一球速報の2026年対象大会では、8試合で25打数8安打、打率.320、1本塁打。出塁率は.486、長打率は.480で、OPSは.966です。高校の全試合を網羅した数字ではなく25打数という小さな標本ですが、7つの四球を選んで塁に出ている点も面白いところです。
守備位置は球団の発表では内野手。三塁での成長が球団の目にも留まったと分かり、守備も含めて育つ過程が楽しみになりました。宮﨑選手らの次の世代で、右打ちの中軸を担う選手になってくれたら本当に楽しみです。
3位 杉本寛斎(ブリティッシュコロンビア大・外野手)
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高校年代から単身でカナダに渡り、アメリカの短大も経て力を伸ばしてきた選手です。投手としても150キロを超える球を投げますが、球団は野手一本で考えており、今年の外野手では最も高い評価だったといいます。
188センチ、105キロの大きな体で、UBC公式の2025-26シーズン成績は51試合で打率.335、3本塁打、16盗塁。出塁率.431、長打率.427でOPSは.858。23四球を選んでおり、打撃の形は大砲一辺倒ではありません。遠くへ飛ばすだけでなく、塁に出て脚でも動けるところが面白い選手です。
球団がDOCKで計測した際には、パワーでエンカーナシオン選手やレイノルズ選手を上回り、走る速さでも森敬斗選手を上回る結果だったそうです。もちろん計測の数字だけでプロでの活躍が決まるわけではなく、本塁打も今季は3本。野手として伸びていく途中です。
だからこそ、編成部長が将来のセンターを期待すると語ったことは大きい。この体格でセンターを守り、打線の中心にもなれたら夢のある選手です。まずは日本の投手に対応しながら、強い打球と脚を両立する外野手になってほしいと思います。
4位 小金井凌生(青森大・投手)
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191センチの長身から横手で投げる右腕です。この角度だけでも打者には厄介ですが、球団は右打者の内角へ入るツーシームと、切れ味のあるスライダーを高く評価しています。
2026年春の北東北大学1部リーグでは、5試合で42イニング、59奪三振、防御率1.50。春秋のリーグを合わせると69回で88奪三振、奪三振率11.48。四死球率も1.83で、力任せではないところが魅力です。秋も優秀選手、最優秀防御率、投手のベストナインに選ばれました。
変則的なフォームの面白さだけで終わらず、先発として結果を積み上げてきた投手です。球団は秋の終盤に右肘を痛めた時期があったことも把握したうえで、評価を変えずに指名し、先発ローテーション争いへの期待も明言しています。右打者への角度を武器に、左打者にどう対応していくか。そこが形になれば、先発陣に今までと違う選択肢を加えてくれそうです。
5位 木口永翔(上武大・投手)
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186センチ、92キロの体格から投げる直球が一番の魅力です。球団はスピン量が豊富で切れのある直球と、奪三振力を評価しています。
一球速報が集計する今年の春秋リーグなど4大会では、17登板のうち先発が7試合。61イニングで68奪三振、奪三振率10.03、四死球率2.66です。先発と救援が混ざる集計ですが、球団が評価した奪三振力が数字にも出ています。春季リーグでは最優秀防御率賞も獲得しました。
大学では先発も救援も経験しましたが、編成部長はプロでは救援として期待していると話しています。この強い直球を短いイニングで思い切り投げ込めたら楽しみです。5位から三振を奪える救援右腕が出てくれば、投手陣の厚みが一気に変わります。
6位 神里陸(ENEOS・捕手)
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DeNAの神里和毅選手の弟として話題になりましたが、編成部長は兄との関係ではなく、本人の可能性や人間性を評価して指名したと明言しています。球団は、広角に打ち分けるコンタクト能力と、軽快なフットワークを評価しています。大学時代には大学日本代表にも選ばれ、捕手として経験を重ねてきました。
今年公開されている社会人の打撃記録は出場試合が少なく、一球速報のENEOS年度別成績に載るのは2試合・4打数だけです。スライドには出塁率やOPSも参考として載せましたが、この数字から打力を決めつけることはできません。
球団は捕手として勝負してほしいと考えています。ENEOSでレギュラーではなかったことも踏まえ、松尾選手ら同世代の捕手陣に新しい刺激を与える存在として期待しているそうです。打席でコンタクトしながら、動ける捕手として自分の強みを出してくれるのが楽しみです。
7位 坂口渉(Honda・外野手)
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指名のポジションは外野手ですが、Hondaでは主に三塁を守ってきました。編成部長は現時点で外野手として考えていると説明しています。球団のスカウトコメントでは、社会人を代表するパワーヒッターとして、飛距離の大きさを挙げています。
一球速報が収録する2026年の対象大会では14試合で3本塁打。春のJABA静岡大会では5試合で2本塁打を放ちました。打率は.209で確実性はこれから磨く部分もありますが、43打数9安打のうち6本が長打。出塁率.261に対して長打率は.488と高く、OPSは.749です。数字からも長打に特徴がある選手と分かります。
プロでは外野手としてどこまで守備の幅を広げられるかが注目点です。ハードな練習を続けられる体の強さと姿勢も評価されています。守る位置が固まれば、右の長打がほしい場面で大きな選択肢になってくれると思います。
まとめ:長く中心を担える選手を重視した7人
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7人を見てみると、先発候補の星野投手と小金井投手、救援で期待される木口投手と、投手の役割がはっきりしています。野手は保西選手の三塁での成長、杉本選手のセンターへの可能性、神里選手の捕手としての挑戦、坂口選手の飛距離。
体格そのものを条件にしたわけではなく、長く中心を担い、試合を変えられる可能性を重視した指名だと受け止めました。大学生や社会人も即戦力と決めつけず、ファームで土台をつくるという球団の考え方も印象に残りました。
長谷川編成部長が語った1位・2位の評価は、ニュース記事【DeNA】長谷川編成部長「100点満点に近いドラフト」にもまとめています。星野投手の指名直後のコメントはこちらの記事をご覧ください。
この7人の中で、みなさんが特に楽しみにしている選手は誰でしょうか。
出典
- [NPB公式] 2026年 セントラル・リーグ 勝敗表/チーム打撃成績/チーム投手成績
- [NPB公式] 2026年 ドラフト会議 DeNA指名選手
- [横浜DeNAベイスターズ公式] 2026年ドラフト会議 指名選手
- [Number Web] 長谷川竜也編成部長インタビュー(石塚隆)1・2位編/3〜7位編
- [関西六大学野球連盟] 2026年春季リーグ/秋季リーグ
- [北東北大学野球連盟] 2026年秋季リーグ
- [UBC Thunderbirds] 2025-26 Baseball Stats
- [一球速報] 星野世那は対象4大会、保西雅則・小金井凌生・木口永翔・神里陸・坂口渉は各選手ページの収録試合(保西/小金井/木口/神里/坂口)
- デプス表:npb-depth-chart(2026年指名後、年齢は2027年3月末時点)
※スライドの選手写真はモザイク加工しています。写真の出典は各スライドに記載しています。成績はスライドに記した年度・大会・対象試合に基づき、一球速報の収録は全試合を網羅したものではありません。