3年前の挫折が原動力に
入社3年目を迎えた川原嗣貴は、ドラフト解禁イヤーの今年、大きな成長を遂げている。しかし、3年前は野球人生で大きな壁にぶつかった。
大阪桐蔭では2年秋の明治神宮大会、3年春のセンバツ、同秋の国体と3大会で日本一を経験。高校日本代表として出場したU18W杯では最優秀投手に選ばれる実績を残したが、ドラフトでの指名はなかった。
「悔しいし、力のなさを痛感した。大学でもレベルの高い選手はいるけれど、そのステップを一つ超えた方たちが戦っているのが社会人。厳しいところに自分を置く道を選びたかった」。年上で経験も豊富な選手に囲まれる環境に飛び込んだ。
体格も精神面も大幅成長
3年間で体重は約15キロ増え、球速も5キロアップ。最速155キロを計測するまでになった。しかし、表れる数字だけでなく、大きく成長したのは精神面だった。
「ホンダという大きな企業あってのチーム。会社のため、チームのため、その次に自分のために。社会人になって『何かのために』という思いが強く根付いた」と川原嗣貴は真っすぐに語る。
悔しさをバネにした成長
昨季は先発の柱として台頭し、春のJABA大会は3戦全勝。しかし、都市対抗大会東海地区2次予選では初登板で1失点完投勝利を挙げたものの、その後に東邦ガスとJR東海に敗れ、本大会出場を逃した。
「2年連続でドーム出場を逃してしまって、会社の人にどう顔を合わそう…」。自分のことよりも、応援してくれる人たちの顔が真っ先に浮かんだことを実感した瞬間だった。
今季は順調な歩み
今季は入社してから初めて都市対抗大会と日本選手権への出場を決め、チームとしては順調。個人としては春先のスランプから脱出し、7月末の練習試合で自己最速の155キロを計測するなど調子は上向きだ。
189cm96kgの恵まれた体格から繰り出される最速152キロの角度ある直球と、スライダー、カット、カーブ、スプリット、チェンジアップなど多彩な変化球を操る技術は、プロからも注目を集めている。
恩師の言葉が支えに
「3年後、プロにいかなアカン人間や」。高校3年のドラフトで指名漏れした時、大阪桐蔭の西谷浩一監督がかけてくれた言葉が今も心に残る。
「折れそうな心をつないでくれた。西谷先生がいなければ、今のHonda鈴鹿の川原嗣貴はいない」と感謝する。10月23日、今度こそ大切な人たちにうれしい報告がしたい。
選手基本情報
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 名前 | 川原 嗣貴(かわはら しき) |
| 年齢 | 21歳 |
| ポジション | 投手 |
| 投打 | 右投左打 |
| 身長・体重 | 189cm・96kg |
| 出身校 | 大阪桐蔭高校 |
| 所属 | Honda鈴鹿 |
| 最速球速 | 155km/h |
| 得意球 | ストレート、スライダー、カット、カーブ、スプリット、チェンジアップ |
| 主な実績 | センバツ優勝、明治神宮大会優勝 U18W杯最優秀投手 高校日本代表 |
大阪桐蔭時代の栄光から一度は挫折を味わい、社会人で心技体すべてを鍛え直した川原嗣貴。「何かのために」という思いを胸に、2度目の挑戦で夢を掴めるか。運命の日まで残り1週間となった。
参考記事
- 中日新聞 2024年記事 - Honda鈴鹿・川原嗣貴の成長とドラフト展望