スカウトたちの“答え合わせ”
10月22日のドラフト会議では、支配下76人、育成51人の計127人が指名された。巨人による横浜・織田翔希の強行指名が大きな話題となったが、他球団のスカウトの間では、ほかの球団の指名にもさまざまな評価が出ている。野球ライターの西尾典文氏がデイリー新潮で伝えた現役スカウトの声から、高い評価を集めたオリックスとヤクルト、疑問の声が上がった広島の3球団の指名を紹介する。
オリックス:角田・仲井に「やられた」
投手の補強で高い評価を集めたのがオリックスだ。支配下6人のうち5人が投手で、特に1位の角田楓斗(富士大)と2位の仲井慎(駒沢大)は、早くから一軍の戦力になると期待する声が多い。
他球団のスカウトは「角田はうちも外れ1位の候補として挙がっていたので、単独指名でオリックスにやられたという感じですね。地方リーグの選手はどうしても低く見られることが多いですが、現段階の力で言えば大学生の中でもトップではないでしょうか」と話す。仲井についても「春はスピードがあってもとらえられていたのが、秋は楽に投げられるようになって完全に一皮むけた印象です」と評価し、「この2人を指名できた時点で現場としては大満足でしょう」と続けた。
角田はドラフト2日後の24日、明治神宮大会の東北地区代表決定戦に登板し、岸田護監督の前で7三振を奪っている(岸田監督の前で大学最後の登板)。オリックスの指名全体は「オリックス指名12選手のスカウト評」にまとめている。
ヤクルト:2位・佐藤悠太に「2人揃って持っていかれた」
野手の指名で他球団を驚かせたのがヤクルトだ。1位で社会人屈指の強打者、東京ガスの藤澤涼介外野手の単独指名に成功し、4位まで野手を指名し続けた。
特に他球団が悔しがったのが、2位の佐藤悠太外野手(東北福祉大)だ。昨年の全日本大学野球選手権で、今年ソフトバンクが1位指名した鈴木泰成(青山学院大)から本塁打を放って評価を高め、今年の大学選手権でも弾丸ライナーの本塁打を記録した右の長距離砲だ。
東北担当のスカウトは「まだまだ粗削りですが飛ばす力は凄い。引っ張るだけでなく、センター中心に大きい当たりが打てます。うちも3位で指名できればと思っていました」と明かす。「同じ右打ちの外野手である藤沢を1位で指名したので、まさか佐藤まで2位で指名するとは思いませんでした。今年は打撃の良い野手が少なかったので、2人揃って持っていかれたなという感じですね」と話した。
ヤクルトは昨年も1位・2位で大学生の内野手を指名しており、2年連続で上位を野手の補強に充てた形になる。
広島:山里の1位に「繰り上げるしかなかった」
一方で、他球団のスカウトから疑問の声が上がっているのが広島だ。1位は亜細亜大の山里宝遊撃手。神戸国際大付時代から甲子園で活躍し、大学では打撃も伸びて今年は大学日本代表にも選ばれた。ただ、他球団のスカウトの間では2位から3位程度という評価が多かったという。
関東地区担当のスカウトは「やはり小園海斗、矢野雅哉が抜けて二遊間が手薄になったのは大きかったと思いますね。どうしても早く使える選手が必要だったのでしょう」と背景を推測する。「もちろん山里は良い選手ですが、1位で考えていた球団は他になかったと思います。ただ2位に回すと先に獲られてしまう可能性があるので、確実に指名するには繰り上げるしかなかったというのが現実的なところではないでしょうか」と話し、2位の西野啓也捕手(立命館大)についても「同様に一つ順位が高いように見えました」と指摘した。
広島は10月1日に小園、矢野を含む4選手に来季の契約を結ばないと通告している。ドラフトでは5位で明治大の光弘帆高、育成1位で茨城アストロプラネッツの車谷仁、育成3位で長崎国際大の皆吉海翔と、山里を含めて二遊間を守れる選手を4人指名した。支配下と育成を合わせて9人を指名し、高校生はゼロだった。
なお、西野については新井貴浩監督が自ら指名あいさつに訪れ、「3、4年後を考えた時に、私は西野くんが一番いいキャッチャーになると思った」と指名の理由を明かしている(新井監督が西野に指名あいさつ)。
出典
- [デイリー新潮(Yahoo!ニュース)] 「オリックスにやられた」「山里を1位で考えていたのは広島だけでは」…現役スカウトが明かす2026年ドラフトの“勝ち組”と“負け組”