第97回都市対抗野球大会第5日の8月30日、東京ドームでの1回戦でトヨタ自動車がJFE西日本に1―7で敗れた。八回から4番手で登板したのが、ヤマハからの補強選手として出場した最速152キロ左腕・沢山優介(22)。2回を1安打1死球3三振無失点に抑え、視察に訪れたスカウトの前で今秋ドラフトへ向けたアピールに成功した。
6点ビハインドの八回から2回無失点
トヨタ自動車は四回に7点を失い、五回に1点を返したものの、以降は得点できずに初戦で姿を消した。その敗戦の中で存在感を放ったのが、6点ビハインドの八回にマウンドへ上がった沢山だった。
140キロ終盤の直球にチェンジアップ、スライダー、フォークを織り交ぜ、八回は2三振を奪って無失点で切り抜けると、九回は1死一、三塁とピンチを招きながらも三振と一ゴロで後続を断った。2イニングで1安打1死球3三振、無失点。補強選手としての起用に応える投球だった。
「(補強という)他チームから評価していただいて、プレッシャーもあった。きょうはチェンジアップがよかった」(サンスポ)と本人は振り返る。直球についても「指のかかったボールはほとんど打たれない自信がある。今日も自分の納得のいく真っすぐを投げられたし、今年はコンディション良く投げられている」(日刊スポーツ)と確かな手応えを口にした。
WBCブラジル代表で得た自信
掛川西高からヤマハに入社して5年目、22歳。両親がブラジルにルーツを持つ沢山は、今春のWBCにブラジル代表として出場した。4強入りしたイタリア戦、イギリス戦ではいずれも4回を無失点に抑え、国際舞台で注目を集めている。
その経験は所属先での投球にも表れ、ヤマハでも安定感を増して先発陣に加わった。「今年はWBCから始まって、好調をキープしてこれたので、やってきたことを出すだけでした」(日刊スポーツ)。シーズンを通して状態を保てていることが、今季の沢山を支えている。
過去2度の指名漏れを越えて
沢山は過去2度のドラフト会議で指名漏れを経験している。プロ志望の調査書は「3年目に10球団、昨年は6」。それでも「全くないと思っていたので、(ドラフト会議を)見ていなかった」(サンスポ)というほど、当時は手応えを欠いていた。
「もう2年、ドラフトで指名漏れして1年目はショックで昨年は調子が悪くて仕方ないかと。でも今年は結果を残してきたし、体のことや精神面でも勉強してきました。今年こそは(プロへ)の思いは強いです」(スポニチ)。技術だけでなくコンディショニングやメンタル面の取り組みを重ねてきたことが、今季の安定感につながっているとみられる。
「結果が全てだなとつくづく思います。1年間、安定した成績を出すことを意識してやってきたので、また気持ちを入れ直して秋に向けて取り組みたい」(日刊スポーツ)。3度目のドラフトを2カ月後に控え、言葉には強い決意がにじんだ。
スカウト評価
- 【阪神】平塚スカウト「体もあるし左腕。腕も振れていて楽しみな投手だね」
今後の見どころ
今大会が最後の都市対抗になる可能性もあり、「目に焼き付けました」と沢山は笑顔で東京ドームを後にした。チームは日本選手権の出場権獲得へ再出発することになり、その舞台での投球がドラフトに向けた最後のアピールの場となりそうだ。
選手プロフィール
- 身長/体重: 185cm/82kg
- 投打: 左投左打
- 最速: 152キロ
- 球種: チェンジアップ、スライダー、フォーク
- 経歴: 掛川西高→ヤマハ
- 出身地: 静岡県
- ドラフト対象年: 2026年