2026年 横浜DeNAベイスターズ 戦力分析 | ドラフトに向けた補強ポイントを徹底整理
苦しい戦いが続く横浜DeNAベイスターズ。今回はドラフトに向けて、投手から野手までポジションごとにチームの現状を整理し、どこに穴があり、今年のドラフトでどこを補強すべきかを分析していきます。最後には5段階評価での補強優先度ランキングと、理想のドラフト案までまとめました。
チーム全体の現状
まずはチーム全体の成績を数字で整理しておきましょう。
| 項目 | 成績 | リーグ順位 |
|---|---|---|
| 順位 | 25勝35敗2分(勝率.417/借金10) | 4位 |
| チーム防御率 | 3.53 | 最下位 |
| 先発防御率 | 3.88 | 最下位 |
| QS率 | 41.9% | 最下位 |
| 救援防御率 | 3.02 | 3位 |
| チーム打率 | .240 | 2位 |
| 安打数・得点圏打率 | — | トップ |
| 本塁打数 | 33本 | 6位(12球団最下位) |
62試合を終えて借金10を抱え、下位に低迷しています。チームを苦しめている最大の原因は投手陣、とりわけ先発です。
一方でFIPは3.20(リーグ3位)、K-BB%もリーグ2位と、投手指標そのものはそこまで悪くありません。シーズン後半に成績が改善する可能性はありますが、現時点では「打たれてしまっている」印象です。
打線はチーム打率・出塁率がリーグ2位、安打数と得点圏打率はリーグトップと健闘。ただし明確な課題が長打力で、本塁打数は12球団最下位。コンタクト能力でつなぐ反面、一発で試合を決める力に欠けるのが弱点です。
リーグ平均で見れば打線はまだまし。だが投手陣、とりわけ先発がそれを台無しにしている。 これが借金を抱えて低迷する今のベイスターズの正体だと言えるでしょう。
ここからはポジションごとに掘り下げていきます。
先発投手 | 補強優先度:S
最大の課題である先発から見ていきます。先発防御率・QS率ともにリーグ最下位、質の高い先発登板も少なく、あまりにも重症と言わざるを得ません。
- 安定しているのは東・石田の2枚看板のみ
- 昨季後半に好投した竹田は2軍調整中
- 先発転向の入江、即戦力期待のオールドルーキー片山も1軍で結果が出ず
- 外国人も誤算続き(コックスはケガで自由契約、デュプランティエも2軍調整中)
相川監督がこの陣容で結果を求められているのは、少し気の毒にも感じてしまいます。
ポジティブな面もあります。島田・篠木・深沢・武田といった若手に多くの登板機会が回ってきていること。外国人依存が高かった昨年までを思えば、前向きに捉えていい変化です。新加入の尾形が西武戦や古巣ソフトバンク戦で圧巻の投球を見せ、明るい兆しをもたらしてくれたのも嬉しいニュースでした。
デプス・年齢構成
主力の東・平良・大貫はいずれも30代。次世代のローテ候補が欲しいところですが、27〜30歳の中堅層でローテに定着できている投手はいません。だからこそ片山・入江・竹田・尾形は、他の若手以上に結果を求められる立場にあります。
若手には楽しみな投手が多く、支配下登録された庄司、トミー・ジョン手術から復帰を目指す坂口、投手に専念した武田、育成の吉岡・金渕など期待株は豊富。ただし1軍ローテ候補まで育つにはまだ時間がかかります。
左腕が少ない点も気がかり。今年は左腕が豊富な市場とされるため、左投手の指名も十分に考えていいでしょう。
FA・ポスティング
- 26年:藤浪が国内FA権取得予定
- 27年:東・大貫が国内FA権取得予定 ← 主力先発の流出リスク
まとめ
1軍先発の惨状、若手成長までの時間、来年以降のFA流出リスク。すべてを踏まえれば補強優先度は球団で最も高いS。 中堅が1軍戦力になれていない現状を考えると、高校生よりも大学生・社会人の即戦力投手の指名が現実的です。
救援 | 補強優先度:C
先発と比べると数字は安定。救援防御率3.02はリーグ3位です。
- クローザー復帰の山﨑康晃、新外国人のレイノルズ・ルイーズ、ブレイクした中川虎大が中心
- K%が高く、奪三振で押し込める投手が揃う
課題
- 主力への登板集中(マルセリーノ・若松・橋本・宮城ら若手の台頭に期待)
- ここでも左腕が少ない(坂本・岩田はいるが層は薄い)
FA・ポスティング
- 27年:伊勢が国内FA権新規取得予定
- 28年:坂本・佐々木が国内FA権新規取得予定
- 森原はFA権保有も、26年から2年契約・今季リハビリ・35歳のベテランで退団の可能性は低い
まとめ
他ポジションと比べれば優先度は低めのC。ただし不足する左腕を中心に、大学・社会人のリリーバーを1人下位で指名するのはありでしょう。
捕手 | 補強優先度:B
まず触れたいのは、スタメンマスクをかぶることが多かった山本をホークスへトレードで放出したこと。来年国内FA権取得を控え、松尾と出場機会を奪い合う状態だったため意図は理解できますが、まだ高卒4年目・21歳の松尾に責任を背負わせすぎではないか、という声も多いはずです。シーズン途中にここまで大胆な手を打つ必要があったのかは、正直疑問が残ります。
- 松尾は5月に打率3割超えと攻守に奮闘するも、チームの借金は膨らむ一方
- ベテラン戸柱が主にサポートに回る体制が当面続く見込み
- 西武から人的補償で獲得した古市は2軍で打撃・守備とも良好。起用増に期待
デプス・年齢構成
支配下の捕手は6人とやや少なめ。うち4人が26歳以下と若い陣容ですが、戸柱は今年36歳のベテラン、東妻は2軍で外野起用が多く、純粋な捕手はそれほど多くないのが実情です。
FA・ポスティング
- 戸柱は国内FA権取得済み。24年から4年契約のため27年オフに移籍の可能性
- 昨年、伊藤光が36歳でFA権を行使し楽天へ移籍した例もあり、去就は油断できない
まとめ
松尾・古市という若く楽しみな捕手がいるため優先度はそこまで高くないが、層を考えると1人は欲しい。中位〜下位で高校生あるいは大学生の捕手を指名する可能性は十分。補強優先度はB。
内野手(二遊間)| 補強優先度:B
セカンドは牧で固定。一方でショートは長年固定できていません。今季は京田を軸に石上・林・宮下・成瀬を併用していますが、いずれも打撃で結果を残せずレギュラーを掴みきれていません。
| 選手 | 1軍成績 | 備考 |
|---|---|---|
| 京田 | 41試合 .235/OPS.582 | 守備の安定感は健在も打撃に課題 |
| 石上 | 23試合 .153 | 2軍は.282/OPS.892。1軍適応が課題 |
| 林 | 29試合 .234 | 二遊間こなすユーティリティ |
| 宮下 | 1軍.128 / 2軍.302 | 打撃面の成長を見せる |
| 成瀬 | 20試合 .245 | 二遊間を守れる若手 |
デプス・年齢構成
19歳の田内から33歳の柴田まで人数は豊富で、若手中堅(森・石上・林・成瀬・加藤ら)も多い。しかし誰一人レギュラーに定着できていないのが最大の問題です。将来の正遊撃手候補と目された森が今季2軍で外野起用となり、遊撃の有望株としては計算が立てづらくなりました。
FA・ポスティング
- 三森が国内FA権取得まで残り2年81日と比較的近い
- 京田・柴田は取得済みだが、ともにベテランで流出リスクは低い
- 石上・林・成瀬・宮下らは取得まで5年以上 → 当面は「育成フェーズ」
まとめ
レギュラー級の遊撃手不在は依然課題だが、近年も毎年のように二遊間を指名しており頭数は十分。今年の市場は上位級の遊撃手が乏しいため、無理に上位で獲る必要は薄い。守備力に優れた選手がいれば中位で押さえたい。補強優先度はB。
内野手(コーナー)| 補強優先度:C
- サード:38歳の宮﨑が中心。47試合 .275・5本と打撃は健在だが、休養を挟む起用で後継問題は避けられない
- ファースト:佐野とベテラン筒香で回すが、筒香は自慢の長打力が鳴りをひそめる
- 移籍の井上朋也、ドラ1ルーキー小田もコーナー起用が濃厚だが、まだ1軍で計算できる段階ではない
デプス・年齢構成
佐野32歳・筒香35歳・宮﨑38歳と実績ある選手が並ぶ一方、軒並み高齢化が進行。ただし井上・小田に加え、サードを守れる宮下・加藤響、サード経験のある度会、育成で好成績の高見澤など、次世代候補は一定数います。頭数の不安は小さいでしょう。
FA・ポスティング
- 牧の流出リスク:国内FA権取得まで残り1年124日、27年オフ取得予定
- さらに本人がメジャー挑戦を志せば、球団容認次第でFAより早くポスティング申請の可能性も
- 宮﨑・佐野・筒香もFA権保有だが、年齢的に移籍可能性は高くない
まとめ
サードの後継候補は一定数おり、彼らに出場機会を与える方が優先。補強優先度はC。ただし牧の動向には今後も注視が必要。
外野手 | 補強優先度:センターA / 両翼C
| 選手 | 成績 | ポジション |
|---|---|---|
| 度会(24歳) | 60試合 .280・5本 | 右翼・左翼で定着しつつある最注目株 |
| 佐野 | 60試合 .265・4本24打点 | 一塁兼任で中軸 |
| 勝又(26歳) | 44試合 .304 | 出場機会を増やす |
| ヒュンメル | .208・4本 | 長打力はまだ発揮しきれず |
| 蝦名 | 56試合 .245(40先発) | センターの一枚看板 |
デプス ── 両翼とセンターで明暗
- 両翼は飽和気味:度会・勝又・佐野・ヒュンメルに加え、新加入エンカーナシオン、2軍に.281の井上絢登。1軍枠を巡る競争は激しい
- センターは極めて手薄:桑原の退団後、本職で守れるのは蝦名(29歳)ほぼ一人。梶原は長く2軍調整、コンバートの森や現役ドラフト加入の濱も今季1軍起用なし
守備・走力に優れ、将来のセンターを担える人材は、チーム全体を見渡しても明確な穴。
さらに深刻な「左右バランス」
外野の主力も若手もほぼ全員が左打ちで、右打ちの主力は蝦名ただ一人。20代前半〜中盤に右打ちの外野手が皆無で、対左投手・打線全体のバランスという観点で弱点に。チーム本塁打が12球団最下位であることも踏まえれば、右打ちで長打を期待できる外野手は喉から手が出るほど欲しい存在です。しかも蝦名は「センター」「右打ち」の両面で替えが利かず、依存度の高さもリスクです。
FA・ポスティング
- 蝦名:国内FA権取得まで残り2年46日。数少ない右打ち・中堅の主力だけに流出は大きな痛手
- 関根:国内FA権取得まで残り101日、26年に新規取得見込みで去就注意
- 佐野:海外FA権まで残り42日と目前だが、3年契約2年目のため今オフ移籍はないだろう
まとめ
両翼は層が厚く優先度C。ただし右打ち・長打力の適性を備えた選手なら優先度は上がる。 センターは桑原退団で蝦名一人への依存となり後継不在 ── 野手で最も明確な穴で、補強優先度はA。センタータイプでできれば右打ちの選手は、即戦力・将来性を問わず上位指名候補に十分なり得ます。
補強優先度まとめ
| 優先度 | ポジション |
|---|---|
| S | 先発投手 |
| A | 外野(センター) |
| B | 二遊間 / 捕手 |
| C | 外野(両翼)/ コーナー / 救援投手 |
今の勝てないチーム状況では、正直どこでも補強したくなってしまいます。ですが今年はまず、即戦力先発とセンター候補を抑えたいところ。どちらも有望なドラフト候補が多く、例年以上に重要なドラフトとなりそうです。
理想のドラフト
補強ポイントを踏まえた理想のドラフト案を提案します。
1位|即戦力先発を最優先
- 右:青山学院大・鈴木/富士大・角田/東北福祉大・猪俣
- 左:関西大・米沢/立命館大・有馬/慶應義塾大・渡辺
2位|センター候補
- 明治大・榊原/東京ガス・藤澤/東日本国際大・黒田
- 残っていなければ右打ちの両翼スラッガー(大商大・春山/東北福祉大・佐藤)を優先
- 今年は投手に比べ野手の候補が少ないため、右打ち・センタータイプを最優先するなら東京ガス・藤澤を単独狙いで入札するのもあり
3位|即戦力投手を重ねる
- 右:日体大・馬場/上武大・木口/天理大・的場
- 左:大商大・星野/大阪経済大・常深/ヤマハ・沢山
下位
3位までで即戦力投手2人+外野手1人を確保できれば、あとは下位で捕手1人・左腕リリーフ1人・高校生二遊間1人。補強ポイントをうまく拾った、バランスの良いドラフトになるはずです。
おわりに
苦しいシーズンが続いていますが、今は若手に経験を積ませながらチームを再建させる時期でもあります。その意味でも、今年どんな選手を指名するのかは非常に重要。ベイスターズのドラフトは毎年予測が難しいだけに、皆さんもぜひ「誰を指名するか」を予想してみてください。
本記事の分析には、12球団のデプス表・起用マップ・成績一覧・FA情報を視覚的にまとめた NPBアナリティクスラボ を活用しています。ドラフトの補強ポイントを考える際にも便利なので、ドラフトウォッチとあわせてぜひチェックしてみてください。