最近、Xで「大学野球のTier表」が話題になっていました。全国大会の成績とプロの輩出数で、大学をランク分けしたものです。見ているうちに自分でも作ってみたくなり、点数の付け方を一から考え直して、Draft-Watch版の大学野球Tier表をつくりました。
対象は2017年から2026年までの10年間です。伝統や昔の実績は入れず、この10年の数字だけで見ています。
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評価の付け方
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見たのは「全国で勝つ力」と「プロに送り出す力」の2つです。
全国で勝つ力は、全日本大学野球選手権と明治神宮大会の成績で見ました。数えたのは何回戦まで進んだかではなく、勝ち星の数です。1勝で1点、優勝した大会にはさらに2点を上乗せしています。
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勝ち星にしたのには理由があります。神宮大会は11校のトーナメントで、5校は2回戦から登場します。この2回戦がベスト8にあたるので、1試合もしないうちにベスト8に入ってしまうんです。勝ち星で数えれば、勝った試合の分だけ点が入ります。組み合わせの有利不利は、これでかなり小さくなると考えました。
プロに送り出す力は、その大学を出た選手の指名で見ました。1位は10点、2位は6点、3位以下は3点、育成は1点です。社会人や独立リーグを経由した選手も、出身の大学に数えています。大学で育った選手がそのあとプロに届いた分も、大学の力の一つだと考えたからです。ただし、大学を途中で辞めた選手は数えていません。
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そのうえで、2つの点数をどちらも1位の大学が100点になるように換算しました。つまり合計200点満点です。どちらか片方だけでは、上のランクに届かない形にしています。2026年11月の明治神宮大会はまだ始まっていないので入っていません。
| ランク | 合計点 |
|---|---|
| SS | 150点以上 |
| S | 90点以上 |
| A | 55点以上 |
| B | 40点以上 |
| C | 25点以上 |
| D | 15点以上 |
では、Dランクから順番に見ていきます。表の「全国」「指名」はそれぞれ100点満点に換算した点数です。
Dランク(15点以上25点未満)9校
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| 大学 | 合計 | 全国 | 指名 |
|---|---|---|---|
| 白鴎大 | 22.3 | 11.5 | 10.8 |
| 九州共立大 | 21.9 | 7.7 | 14.2 |
| 中央学院大 | 21.9 | 19.2 | 2.7 |
| 東海大札幌 | 21.2 | 19.2 | 2.0 |
| 専修大 | 20.3 | 0 | 20.3 |
| 中部学院大 | 18.1 | 15.4 | 2.7 |
| 帝京大 | 16.6 | 3.8 | 12.8 |
| 駒澤大 | 15.5 | 0 | 15.5 |
| 関西国際大 | 15.1 | 7.7 | 7.4 |
中央学院大は、2021年の神宮大会で優勝しています。専修大は全国大会での勝ち星はありませんが、菊地吏玖投手と西舘昂汰投手、2人の1位を出しました。帝京大は大学から直接の指名はありませんが、社会人を経由して塩見泰隆選手や大津亮介投手など、4人が支配下で指名されています。関西国際大からは、巨人の大勢投手が1位で指名されています。
実は、ランク外の大学からも1位は出ていて、苫小牧駒澤大の伊藤大海投手や西日本工業大の隅田知一郎投手、愛知工業大の中村優斗投手も、大学から1位で指名された投手です。
Cランク(25点以上40点未満)10校
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| 大学 | 合計 | 全国 | 指名 |
|---|---|---|---|
| 環太平洋大 | 38.7 | 34.6 | 4.1 |
| 立教大 | 38.0 | 23.1 | 14.9 |
| 立正大 | 33.4 | 19.2 | 14.2 |
| 仙台大 | 32.4 | 11.5 | 20.9 |
| 桐蔭横浜大 | 30.7 | 7.7 | 23.0 |
| 中京大 | 29.3 | 19.2 | 10.1 |
| 福岡大 | 28.5 | 23.1 | 5.4 |
| 東農大北海道オホーツク | 28.0 | 19.2 | 8.8 |
| 関西学院大 | 25.7 | 11.5 | 14.2 |
| 神奈川大 | 25.5 | 15.4 | 10.1 |
立教大は2017年の大学選手権で、立正大は2018年の神宮大会で、それぞれ優勝しています。仙台大は育成での指名が10年で8人。今回数えた大学の中では一番多い数でした。1位でも、馬場皐輔投手と平川蓮選手が指名されています。
桐蔭横浜大からも、渡部健人選手と古謝樹投手、2人の1位が出ています。関西学院大からは黒原拓未投手が大学から1位で指名され、社会人を経由した近本光司選手も1位で指名されています。
Bランク(40点以上55点未満)12校
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| 大学 | 合計 | 全国 | 指名 |
|---|---|---|---|
| 立命館大 | 51.2 | 15.4 | 35.8 |
| 東海大 | 50.4 | 30.8 | 19.6 |
| 早稲田大 | 49.9 | 15.4 | 34.5 |
| 近畿大 | 48.3 | 19.2 | 29.1 |
| 天理大 | 47.4 | 34.6 | 12.8 |
| 佛教大 | 47.0 | 42.3 | 4.7 |
| 福井工業大 | 46.2 | 46.2 | 0 |
| 創価大 | 45.6 | 19.2 | 26.4 |
| 東日本国際大 | 44.7 | 34.6 | 10.1 |
| 国際武道大 | 43.6 | 30.8 | 12.8 |
| 名城大 | 41.8 | 26.9 | 14.9 |
| 九州産業大 | 41.1 | 26.9 | 14.2 |
このランクは、大学ごとの色がはっきり分かれました。福井工業大は2021年と2025年に大学選手権で準優勝。10年で全国12勝を挙げていますが、社会人などを経由した選手を含めても指名は0人でした。佛教大も全国11勝で、2019年の大学選手権では準優勝しています。国際武道大は、2017年と2018年に大学選手権で2年続けて準優勝しました。
早稲田大は2024年の大学選手権で準優勝。1位は早川隆久投手と蛭間拓哉選手です。近畿大からは阪神の佐藤輝明選手が1位で指名され、今年も宮原廉投手が中日から1位で指名されました。名城大からは、社会人を経由した栗林良吏投手が1位で指名されています。創価大は2024年の神宮大会で準優勝。2025年のドラフトでは、立石正広選手が1位で指名されました。
Aランク(55点以上90点未満)8校
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| 大学 | 合計 | 全国 | 指名 |
|---|---|---|---|
| 日本体育大 | 72.4 | 34.6 | 37.8 |
| 富士大 | 71.1 | 34.6 | 36.5 |
| 上武大 | 67.7 | 34.6 | 33.1 |
| 東洋大 | 66.5 | 7.7 | 58.8 |
| 関西大 | 65.5 | 38.5 | 27.0 |
| 國學院大 | 64.7 | 26.9 | 37.8 |
| 法政大 | 57.4 | 0 | 57.4 |
| 中央大 | 56.8 | 0 | 56.8 |
今年の大学選手権で優勝したのが関西大です。決勝では慶應義塾大に勝っています。ドラフトでも、金丸夢斗投手と今年の米沢友翔投手、2人の1位を出しました。
日本体育大は2017年の神宮大会で優勝し、1位でも松本航投手と矢澤宏太選手が指名されています。富士大はこの10年で大学選手権に6回、神宮大会に3回出場。今年は角田楓斗投手がオリックスから1位で指名されました。上武大は2022年の大学選手権で準優勝しています。國學院大は2022年の神宮大会で準優勝。1位では清水昇投手と武内夏暉投手が指名され、社会人を経由した吉村貢司郎投手も1位で指名されています。
一方で、東洋大と法政大、中央大は、全国大会ではほとんど勝てていません。東洋大は全国で2勝、法政大と中央大は勝ち星0です。それでもAランクに入ったのは指名の多さです。東洋大は上茶谷大河投手、甲斐野央投手、細野晴希投手と1位が3人。法政大も鈴木昭汰投手、山下輝投手、松下歩叶選手と1位が3人。中央大も鍬原拓也投手、森下翔太選手、西舘勇陽投手と1位が3人います。
東都と東京六大学の事情
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東都と東京六大学は、全国から力のある選手が集まるリーグです。そのぶん、リーグで優勝すること自体が難しくなっています。この10年の大学選手権に出たのは、どちらのリーグも4校ずつ。1校が4回以上出たことは一度もありませんでした。ほかのリーグでは、1校がほぼ毎年出ているところも多いです。
一方で、出場した年にはほかのリーグよりも多く勝っています。大学選手権での1回あたりの勝ち星は、東京六大学が2.8勝、東都が2.0勝で、全リーグの中で1位と2位でした。
さらに東都は、2部に落ちると全国大会に出る道がありません。専修大は2017年の秋から2部ですが、1位を2人出しています。勝ち星だけで比べると、こうした大学はどうしても点が伸びにくくなります。プロに送り出す力を半分の重さで入れたのは、このためでもあります。
Sランク(90点以上150点未満)4校
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| 大学 | 合計 | 全国 | 指名 |
|---|---|---|---|
| 慶應義塾大 | 129.7 | 88.5 | 41.2 |
| 東北福祉大 | 107.4 | 61.5 | 45.9 |
| 亜細亜大 | 101.5 | 23.1 | 78.4 |
| 大阪商業大 | 96.6 | 50.0 | 46.6 |
慶應義塾大は、全国で勝つ力が88.5点で、青山学院大に次ぐ2番目の高さです。2019年と2023年の神宮大会、2021年の大学選手権と優勝が3回。今年の大学選手権でも準優勝しています。ただ、1位で指名されたのは10年で木澤尚文投手だけでした。
東北福祉大は、2018年と2025年に大学選手権で優勝。この10年で選手権に7回出場して12勝を挙げています。1位は椋木蓮投手の1人ですが、社会人を経由した選手も含めると22人が指名されています。
亜細亜大は、全国で勝つ力は23.1点ですが、プロに送り出す力は78.4点で、明治大に次ぐ2番目です。社会人を経由した選手も含めると、支配下で23人が指名。大学から直接の1位も4人いて、今年も山里宝選手と川尻啓人投手が1位で指名されました。全国大会でも、2022年の大学選手権で優勝しています。
大阪商業大は優勝こそありませんが、大学選手権に8回出場し、全国大会では13勝。今年は星野世那投手がDeNAから1位で指名されました。社会人を経由した伊原陵人投手も1位で指名されています。
SSランク(150点以上)2校
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| 大学 | 合計 | 全国 | 指名 |
|---|---|---|---|
| 青山学院大 | 162.8 | 100 | 62.8 |
| 明治大 | 157.7 | 57.7 | 100 |
まずは明治大の157.7点です。プロに送り出す力は、ただ1校の100点でした。社会人を経由した選手も含めると、10年で支配下24人。そのうち1位が9人です。森下暢仁投手、宗山塁選手、上田希由翔選手などが1位で、9人のうち6人は2023年から今年までの4年に集中しています。全国大会でも、2019年の大学選手権と2022年の神宮大会で優勝しています。
そしてトップは青山学院大の162.8点です。こちらは全国で勝つ力が、ただ1校の100点でした。大学選手権は2023年と2024年に連覇。神宮大会も2024年と2025年に連覇しています。この3年で全国優勝が4回です。
しかも、2023年から今年まで4年続けて1位が2人ずつ。常廣羽也斗投手、下村海翔投手、佐々木泰選手、西川史礁選手、中西聖輝投手、小田康一郎選手、渡部海選手、鈴木泰成投手の8人です。10年の合計では明治大との差は10点もありません。ただ、ここ数年に限れば、青山学院大が一歩抜けていると見ています。
勝つ大学と育てる大学
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2つの点数を並べてみます。両方とも高いのが、青山学院大、明治大、慶應義塾大、東北福祉大、大阪商業大の5校です。
全国では勝つものの指名が少ないのが、福井工業大、佛教大、天理大、環太平洋大など。反対に、指名は多いのに全国の勝ち星が少ないのが、亜細亜大、法政大、中央大、東洋大の4校です。4校とも東都か東京六大学の大学でした。全国で勝ち上がる力と、プロに選手を送り出す力は、重なる部分もありつつ、別のものなのかもしれません。
来年動きそうな大学
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最後に、来年のTier表を動かしそうな大学です。2027年ドラフト1位12人予想【10月版】では大学生を9人選びました。そのうち3人が國學院大の選手です。藤本士生投手、緒方漣選手、石野蓮授選手の3人で、全員が1位で指名されれば、國學院大は大きく順位を上げるはずです。
ほかにも、富士大の古堅鈴之輔投手と細野龍之介投手、関西大の百合澤飛投手、仙台大の大城海翔投手、早稲田大の髙橋煌稀投手、大阪商業大の真鍋慧選手を12人に入れています。そして11月には今年の明治神宮大会があります。ここで勝ち星を積む大学も、来年の集計で上がってきます。
まとめ
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SSランクは青山学院大と明治大。Sランクは慶應義塾大、東北福祉大、亜細亜大、大阪商業大でした。
全国で勝つ力と、プロに送り出す力。どちらを重く見るかで、順位はかなり変わります。今回は半分ずつにしましたが、みなさんならどう付けるでしょうか。
集計のルールと出典
- 対象大会:全日本大学野球選手権(2017〜2026年、2020年は中止で9大会)、明治神宮野球大会 大学の部(2017〜2025年、2020年は中止で8大会)。不戦勝は勝ち星に数えていません。
- ドラフト:2017〜2026年の10回。1位には外れ1位も含み、指名後の入団拒否も指名として数えています。
- 社会人・独立リーグなどを経由した指名は、出身大学に数えています(中退・準硬式・短大・海外の大学は数えません)。東海大の札幌などのキャンパスや東農大北海道オホーツクは、本校と別の大学として数えています(所属連盟も別)。旧校名はそろえています。
- [全日本大学野球連盟] 大会の日程と結果(大学選手権)
- [Wikipedia] 各回の明治神宮野球大会(大学の部の組み合わせ)、各年度の新人選手選択会議(球団別の指名選手一覧)、選手記事の経歴(社会人・独立を経由した選手の出身大学)