2球団競合の1位、「中途半端でプロに行くより大学で鍛えて1位で」
10月22日のドラフト会議で、ソフトバンクとロッテの2球団が1位で指名し、抽選の末にソフトバンクが交渉権を獲得した青山学院大の鈴木泰成投手。「豊作」と言われた今年の大学生投手のなかで「ナンバーワン」と評されてきた右腕は、1年春から東都大学リーグのマウンドに立ち、通算15勝を挙げた。
その出発点は、高校時代のけがだった。東海大菅生では2年生だった2021年のセンバツで2試合に先発し、ベスト8に貢献。しかしその後、右ひじの痛みでマウンドから遠ざかり、同年12月に手術を決断した。「思うように投げられずに『プロは厳しいんじゃないかな』というなかで、気分が落ちてしまって」と当時を振り返る(NumberWeb)。
そんな鈴木に声をかけたのが、青山学院大の安藤寧則監督だった。「たとえ大学で投げられなくなったとしても、鈴木君と野球がしたい」という熱意に惹かれ、「中途半端でプロに行くより、大学で鍛えて1位で」と進学を決めた。
常廣・下村の背中と、中野コーチの「お尻で受け止める」
入学した2023年の4年生には、のちにドラフト1位でプロ入りする常廣羽也斗(広島)と下村海翔(阪神)がいた。常廣のキャッチボールを見て「力感なくボールを投げているのに、低い位置から伸びてくる」と衝撃を受け、「大学に入って初めてドラフト1位で行くような選手を目の当たりにして、明確な指標ができました」という。
大学では「けがをしない体づくり」に取り組みながら、「投げることで筋力を鍛える」ことを意識した。その考えを根付かせたのが、1994年のセンバツで史上2人目の完全試合を達成した金沢高のエースで、青山学院大から東芝でプレーした中野真博コーチだ。鈴木は「フィニッシュをお尻でしっかり受け止めるように」と助言を受け、下半身の使い方にも細かく気を配るようになった。
中野コーチは「こちらの考えで『はい、はい』と言わせるより、本人が気づくことが大事じゃないですか」と話す。高校時代に147キロだった最速は、155キロまで伸びた。
4年春は最優秀投手、大学日本代表でも先発の柱に
4年春のリーグ戦からは不動のエースとなり、4勝、防御率1.87で最優秀投手とベストナインに選ばれた。大学日本代表として出場した今夏のワールド・カレッジ・ベースボール・チャンピオンシップでは、初戦の韓国戦と決勝のアメリカ戦で先発を任され、優勝に貢献している。
「世代ナンバーワン」へのこだわりを問われると、「先発として計算してもらえて、期待に応えられたのはすごく自信を持てました」とプライドをのぞかせた。秋のリーグ戦は優勝を逃したが、「バッターは自分の真っすぐのイメージが強い」とピンチでカーブを多く使うなど、投球の幅を広げた。「ここまで来たんだな、という思いもありつつ、満足していない自分もいるので」と話している。
目標は「負けないエース」斉藤和巳
ドラフト翌日の23日には、青山学院大で指名あいさつを受けた。城島健司チーフ・ベースボール・オフィサー(CBO)から当たりくじを手渡され、「素直にうれしかったです。競合した選手で見ることができないので、すごいありがたかったです」と喜んだ(スポーツ報知)。
憧れの投手には、小さい頃からよく見ていたという斉藤和巳2軍監督を挙げた。直球、カーブ、フォークを主体とする球種構成が自分と似ており、中学・高校時代から動画で投球フォームを研究してきたという。自身の強みを「球速以上に速く感じさせるストレートであったり、ピンチでも堂々と動じることなく自分のスタイルを確立できるところ」と分析し、目標には最多勝を掲げた。
城島CBOは球団公式サイトで「今年の大学生投手の中ではナンバーワンの評価をしています」とコメントし、「よりスケールの大きい、日本を代表するような投手になってもらいたい」と期待を寄せている(ベースボールチャンネル)。ソフトバンクの指名選手と担当スカウトの評価は「ソフトバンク指名24選手のスカウト評」にまとめている。
選手プロフィール
- 所属: 青山学院大(東海大菅生高)
- 生年月日: 2004年5月28日(茨城県出身)
- 身長: 187cm
- 投打: 右投右打
- 最速: 155キロ
- 球種: カーブ、フォーク
- 実績: 4年春に東都大学リーグ最優秀投手・ベストナイン、大学日本代表
- ドラフト: 2026年 ソフトバンク1位(ロッテと2球団競合)
出典
- [NumberWeb(Yahoo!ニュース)] 「プロは厳しいんじゃないか…」から“2球団競合”ドラフト1位に…大学生投手《超豊作世代》No.1を生んだコーチの「意外なアドバイス」とは?
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