天理大中退からの挑戦
強豪・天理大(阪神大学野球連盟)で1年春からベンチ入りした斎藤佳紳。しかし、2年終了時に部が定める単位数を取得できず、1年間の活動禁止となった。
「4年時のアピールだけでプロに行くのは無理ではないか…」
中退に猛反対した藤原忠理監督(60、現天理高監督)ら首脳陣をそれぞれ1~2時間かけて説得。最後は徳島入りへ背中を押してもらったという。
過酷な独立リーグ生活
飛び込んだ新天地では、バスでの長距離移動が多く、深夜0時に出発して一晩かけて移動することもあった。シーズンオフは給料も出ない。
「12年連続指名と話題になるけど、行けた人たちが全てじゃない。『あれだけやったのに行けなかった』という人も見てきた」
心身ともに過酷な環境で、昨春は台湾の社会人チームに期限付きで移籍するなど、果敢に挑戦を続けた。
妻の言葉で踏みとどまる
期限としていた2年目を終えて、NPB入りは果たせなかった。「家族の大黒柱にならなければ…」と、断念する意向を妻・実佑さん(23)に伝えた。
返事は、まさかの「やめるなら、別居婚か離婚」―。
「それは嫌。お言葉に甘えて、もう1年やりきろう」と踏みとどまった。
背水の陣で迎えた今季
背水の陣で臨んだ今季、9月に自己最速155キロを計測し、最優秀防御率(1.88)と最多勝利(10)を獲得。1歳の娘がいる右腕は「野球人生で一番、結果は出せた」と胸を張る。
ダイナミックなフォームから力強い球を投げる。がっちりとした体格で最速155キロを誇る一方、4種の変化球も自在に操る。自称「技巧派」の斎藤佳紳は、「ダメだったら独立はやめる。野球を続けるかも分からない」と、NPB入りへのラストチャンスと位置付けた。
糸井嘉男との因縁
元阪神の糸井嘉男氏とは京都・与謝野町にある互いの実家が徒歩5分程度。家族同士で親交があった。小学6年時に同じ岩滝少年野球クラブOBの本人と対戦して2三振を奪った。
"糸井を斬った男"と大阪・近大泉州時代に取材を受けた。「大勢の記者に囲まれて、てんやわんやでした(笑)。あの時より、人としても野球選手としても一回り、二回り大きくなれた」
四国ILの13年連続指名なるか
四国アイランドリーグplusからは、今年も斎藤佳紳のほか、同153キロ右腕の高橋快秀(19)、俊足の山本倫彰外野手(23)らが候補に挙がっている。
同リーグ・高知出身の阪神・石井大智投手(28)が今季大ブレークしたことも、独立リーグ出身選手への注目度を高めている。
選手基本情報
斎藤佳紳
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 名前 | 斎藤佳紳 |
| 読み方 | さいとう けいしん |
| 年齢 | 22歳 |
| 生年月日 | 2003年3月16日 |
| ポジション | 投手 |
| 投打 | 右投右打 |
| 身長・体重 | 181cm・89kg |
| 出身地 | 京都・与謝野町 |
| 出身校 | 近大泉州高校・天理大学中退 |
| 所属チーム | 徳島インディゴソックス |
| 最速球速 | 156km/h |
| 得意球 | スライダー、カーブ、フォーク、ツーシーム |
| 特徴 | 強気の投球、回転数の多い直球で高い奪三振率 |
| 今季成績 | 33登板で10勝2敗、1セーブ、防御率1.88 |
| 経歴 | 岩滝小2年から軟式野球開始、橋立中では京都丹後リトルシニア |
| 適性 | プロ入りであれば救援か |
高橋快秀
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 名前 | 高橋快秀 |
| 読み方 | たかはし かいしゅう |
| 年齢 | 19歳 |
| ポジション | 投手 |
| 投打 | 右投右打 |
| 身長・体重 | 178cm・80kg |
| 出身地 | 香川県 |
| 出身校 | 多度津高校 |
| 所属チーム | 徳島インディゴソックス |
| 最速球速 | 153km/h |
| 得意球 | スライダー、カットボール、カーブ、フォーク |
| 特徴 | 綺麗なフォーム、球持ちの良いスライダー |
| 今季成績 | 20試合登板、防御率2.86でリーグ2位 |
山も谷も乗り越えた斎藤佳紳。どっしり構え、指名の瞬間を待つ。
参考記事
- Yahoo!ニュース 2025年10月16日 - 四国IL徳島の最速155キロ右腕・斎藤佳紳「野球人生で一番、結果は出せた」NPB入りへラストチャンス