九谷瑠は初回こそ3者凡退に抑えたものの、2回に4安打を集められ3失点。チェンジアップと直球のコンビネーションが噛み合わず、浮き気味になったボールを捉えられたと振り返った。4回にも長打を浴びて追加点を許し、「思っていたボールを投げられなかった」と悔しさを噛み締めた。
都市対抗から続いた濃密な一年
大阪大谷大を卒業後、名古屋名物のみそかつ店を母体とするクラブチーム「矢場とんブースターズ」で3年間プレーした九谷瑠は、午前中に練習、夕方から夜にかけてホールで働く生活を続けながら球速を磨いた。クラブチームからでもプロを目指せると証明するため、与えられた環境で成長を重ねたという。今季から王子に加入すると夏の都市対抗では準々決勝から3日連続登板で3連勝し、21年ぶり優勝の原動力に。橋戸賞(MVP)を獲得してプロの評価を一気に高めた。
最速153キロ右腕が見据える舞台
176センチ、75キロと大柄ではないが、最速153キロの直球にスライダー、カットボール、チェンジアップ、カーブを織り交ぜる多彩な投球が九谷瑠の持ち味。小さなテイクバックから伸びのあるボールを投げ込み、ゴロアウトと三振をバランス良く奪う。NTT東日本戦では制球が乱れたものの、指揮官の湯浅貴博監督は「彼なくして優勝はなかった」と労い、次のステージへの飛躍を期待した。
同じ境遇の後輩に希望を
1年前は矢場とんを退社し、京セラドームのスタンドから大会を見ていたという九谷瑠。今度はマウンドから観客席に感謝を届ける立場になり、「すごく濃い一年間だった。人としても技術の面でも成長させてもらった」と王子への感謝を口にした。プロでは「まだ通用する球はない」と自己評価を厳しくしながらも、「クラブチームでもプロになれないわけではない。手本になれるよう頑張りたい」と語り、後輩たちへ希望を示す存在になることを誓った。
選手情報
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 名前 | 九谷瑠(くたに りゅう) |
| 学年・年齢 | 26歳(社会人1年目) |
| ポジション | 投手 |
| 投打 | 右投左打 |
| 身長・体重 | 176cm・75kg |
| 出身校・チーム | 堅田高→大阪大谷大→矢場とんブースターズ→王子 |
| 最速球速 | 153km/h |
| 得意球・プレースタイル | 小さなテイクバックから最速153キロの直球と多彩な変化球を制球よく織り交ぜる右腕 |
| 主な実績 | 2025年都市対抗で3日連続登板の3連勝、橋戸賞を受賞 |