制球力を生かした完封
「崇徳の歴史の中でも凄く大きな一勝になったと思う」。徳丸凜空は6奪三振中4つが見逃し三振と、長所の制球力を見せつけた。散発3安打に抑え、三塁を踏ませない力投だった。決勝進出で選抜出場を当確とさせると、「思いがあふれた」と目を赤くした。
初回2死満塁、6番・平田悠左翼手(2年)の中前2点打で先制すると、8回には「粘り強く投げていれば、後半に大量得点してくれると信じていた」という徳丸凜空の願いに応えるように打線が一挙8得点。自身も右越えの2点三塁打を放ち、3安打で完封勝利を挙げた。
夏の悔しさをバネに
背番号1を与えられた今夏の広島大会では、決勝の広陵戦で1-0の9回2死二塁から同点に追いつかれ、延長タイブレークの末に敗れた。「野球人生で一番悔しかった」。甲子園まで残り1死の場面で冷静さを欠いた反省を忘れない。
派手なガッツポーズを見せていた今夏から一転、感情を表に出すことをやめた。「あの負けがあったからこそ今の自分がある」。徳丸凜空の心に余裕が生まれると、中国大会3試合で24イニング1失点(防御率0・38)の好投に直結した。
OBの竹丸和幸に続く
今秋ドラフトで同校OBの鷺宮製作所・竹丸和幸が巨人1位指名を受け、久々に「崇徳」の名前に光が当たった。元広島の山崎隆造(現総監督)らを輩出した同校は、93年春を最後に甲子園出場から遠ざかっていた。
それでも、中学時代に強豪私立から入学の勧誘を受けていた徳丸凜空は、藤本誠監督の「一緒に甲子園を目指そう」との言葉を信じて同校に進んだ。OBの竹丸和幸は巨人にドラフト1位指名された。「励みになります。自分も頑張らないと。決勝も勝って、広島に帰っていい報告をしたい」と徳丸凜空は語った。
スカウトからの評価
同校OBの広島・松本有史スカウトは「制球がいい。来秋の候補として名前が挙がってくるのではないか」と期待を込めた。徳丸凜空は「いつか自分もプロの世界に行きたい」と青写真を描く。
1976年にセンバツ初出場優勝した元広島・山崎隆造総監督(67)がスタンドで見守った。「ここで勝てたなら、新たな歴史が生まれると思っていた。また常勝軍団になってほしいというのが僕らOBの願い」と、熱い思いを口にした。
崇徳が甲子園へ返り咲くきっかけをつくってくれた応武篤良前監督に「勝つことにこだわっておられた方。勝ちましたと伝えたい」と藤本誠監督(45)は目を潤ませた。竹丸和幸の1位指名に続き、左腕が強豪校に誇りを取り戻した。
選手情報
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 名前 | 徳丸凜空(とくまる りく) |
| 学年・年齢 | 2年生・16歳(2008年11月3日生まれ) |
| ポジション | 投手 |
| 投打 | 左投左打 |
| 身長・体重 | 180cm・76kg |
| 出身校 | 崇徳高校 |
| 出身地 | 広島県福山市 |
| 最速球速 | 141km/h |
| 得意球 | 制球力を生かした安定感のあるピッチング |
| 身体能力 | 遠投100メートル |
| 主な実績 | 1年春から背番号18でベンチ入り 2年夏から背番号1 今夏広島大会決勝進出 秋の中国大会準決勝で3安打完封勝利 中国大会3試合で24イニング1失点(防御率0・38) 小3から坪生ファイターズで野球開始 中学では府中オーシャンズに所属 |
新たな時代の扉が開いた。徳丸凜空の今後の成長が注目される。
参考記事
- スポーツニッポン 2025年11月2日 - 崇徳 "未来の竹丸"徳丸凜空で33年ぶり選抜確実 3安打完封勝利「歴史の中でも凄く大きな一勝に」
- スポーツ報知 2025年11月1日 - 【高校野球】崇徳、8回コールド勝ちで33年ぶりセンバツ当確 22年に亡くなった応武篤良前監督にささげた