最大のピンチで最高のパフォーマンス
最大のピンチで最高のパフォーマンスを披露した。2-1の9回、一打逆転となる1死二、三塁。中西聖輝が迎えたのは智弁和歌山時代の同期で4年前の夏の甲子園優勝を共に味わった宮坂だった。燃えた。カウント1-2から148キロ直球を内角に投げ込み、惜しくもボール。「いいところに投げ込めた」と気持ちを切り替え、最後は20キロ遅いカーブで空振り三振に仕留めた。
「僕のことをよく分かっている選手を三振に取れたのは自信になる」。今秋のドラフト上位候補がひしめく戦国東都の開幕戦。ジャイアンツタウンスタジアムに12球団計20人以上のスカウトが集結した中、1失点完投し、7三振を奪った。
春の失敗を糧にした完投
「序盤は緊張したが、中盤以降はリミッターを外していい投球ができた」。視察に訪れた楽天の部坂俊之スカウトは「即戦力になる。間違いなく1位(指名)でしょう」と絶賛した。
同じ轍(てつ)は踏まない。今春の開幕戦では中大に6回5失点でKO。チームも初戦を落とした。この日は気温31度の残暑で、疲れが見え始めた6回終了時だった。中野真博コーチから「代わるか?」と聞かれたが、こう言った。「春は自分のせいで負けてしまったので最後まで行かせてください」。志願の続投で121球を投げ抜いた。
プロ志望届提出済みの意気込み
リーグ戦前にはプロ志望届を提出した。「野球を始めた頃の夢。いい結果を出して(プロに)入れれば。でもまずは日本一」。絶対エースは6連覇の先に夢の舞台を見据えた。
「気迫、我慢強さ、コントロール、変化球で空振りが取れる。自分の持ち味が全部出せた。あそこ(九回)は、三振を取りにいった。それしかないと思った」
史上3校目の6季連続優勝を狙うチームのエースで、プロ志望届を提出済み。七回を終えた時点で中野コーチから「あとは(鈴木)泰成(投手)でいいんじゃないか?」と交代を示唆されたが、完投を直訴した。7安打1失点。121球で投げ切ったのも「春(の初戦で)負けてすごくくやしかった。このメンバーで優勝を目指せるのは最後」という気合からだった。
スカウト陣からの高評価
二回に一塁ベースに当たる不運な適時打で同点とされたが、三回に勝ち越し。左打者の内角を速球でえぐり、カーブを有効に使った。NPB12球団のスカウトが視察した中、リーグ戦通算15勝目をマーク。中日・松永スカウト部長は「全球種でストライクが取れ、コントロールがいい」と評価した。
高校時代は夏の甲子園大会優勝。大学ではリーグ戦5連覇に貢献し、日米大学野球でも好投した。そして秋季リーグ戦が開幕。「最後のリーグ戦。必ず勝者になる」と気迫をみなぎらせた。
選手基本情報
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 名前 | 中西聖輝(なかにし まさき) |
| 年齢 | 21歳 |
| ポジション | 投手 |
| 投打 | 右投右打 |
| 身長・体重 | 182cm・90kg |
| 出身校 | 智弁和歌山高校 |
| 所属 | 青山学院大学 |
| 最速球速 | 152km/h |
| 得意球 | ストレート、スライダー、カーブ、フォーク、チェンジ |
| 主な実績 | 2021年夏甲子園優勝 リーグ戦5連覇に貢献 日米大学野球好投 プロ志望届提出済み |