155キロ計測で球場沸かす
石垣投手は3点ビハインドの7回から4番手で登板。自己最速にあと1キロに迫る155キロもマークし、球場表示では甲子園歴代最速タイを記録した。
先頭の3球目に今大会初の150キロ超となる153キロでファウルを奪うと、どよめきが起こった。1死から次打者の5球目で、球場表示での大会最速タイとなる155キロを記録。8回2死から2度目の155キロも計測し、ネット裏で視察した国内12球団スカウトに加え、大リーグ球団の前で全28球のうち18球を数えた直球は平均球速151キロを記録した。
「力んで浮いたのもあって納得のいく球が投げられなかった。悔しいですが、やりきった気持ちが大きかったので涙は出なかった」と石垣投手は振り返った。
スカウトの声
北海道出身の石垣投手には、日本ハムの吉村チーム統括本部長も視察に訪れていた。大渕スカウト部長は「1位の12人に入る選手」と言い切った。
DeNAの八馬アマスカウティングGリーダーは「体の使い方、変化球もよくなっている。競合の可能性もある」と評価。石垣投手の圧倒的な球威と成長性が、プロ球団の注目を集めている。
進路は「プロ一本」で決意
試合後、石垣投手は「プロ一本でいこうと思ってます」と明言した。甲子園の土は持ち帰らず、「プロでもここでやると思うのでいらない」と語った。
高校最後の舞台となる9月のU18W杯を見据えた右腕は「代表に選ばれたら、ドラフト1位で行く力を見せたい」と力を込めた。
監督の戦略と選手の成長
センバツ直前に左わき腹を痛めた石垣投手。150キロ後半を投げる出力と筋肉量が合わないことで再び痛めることがないように、投球数が少なくてすむ救援を託された。
先発の下重、トミー・ジョン手術から復帰した佐藤の両左腕がつかまって失点を重ねた。青柳博文監督は「後手に回った。リードして(石垣を)投入したかったが、それができなかった」と話した。
3年時の公式戦で先発登板は春季群馬大会の一度だけ。最速145キロ左腕の下重賢慎(3年)、左肘手術明けの左腕・佐藤龍月(3年)ら投手陣が豊富だったことに加え、150キロ超の高校生離れした高い出力も理由だった。未完成段階の体には負荷が大きく、医師らは「故障のリスク」を懸念していた。
盟友との絆
石垣投手は「去年の夏がターニングポイント」と言う。1年時から切磋琢磨してきた佐藤がトミー・ジョン手術を受け離脱。背番号1を託され、メンタル面や練習態度が変わった。
佐藤も盟友の変化を感じ取った。「以前は自分のプレーに集中していたけど、全体を見渡して声かけをするようになった」。昨冬に「取り返す」と話していた背番号1を今夏も譲ったことに、一切の不満はなかった。
「1年秋の大会から投げさせてもらって、監督や指導者の方々に感謝の気持ちしかない。今までやってきたことが間違ってはいなかった。成長させてくれる場所だった」と石垣投手は振り返った。
選手基本情報
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 名前 | 石垣元気(いしがき げんき) |
| 学年・年齢 | 3年生・17歳 |
| ポジション | 投手 |
| 投打 | 右投両打 |
| 身長・体重 | 180cm・78kg |
| 背番号 | 1 |
| 出身校・チーム | 健大高崎高校 |
| 最速球速 | 155km/h |
| 得意球・プレースタイル | 最速155キロのストレート、高校生離れした高い出力 |
| 主な実績 | 2025年春センバツ優勝 2025年夏の甲子園2回戦で155キロ計測 群馬大会決勝で4回パーフェクトリリーフ 今秋ドラフト1位候補 |
銀傘に短い夏の終焉を告げるサイレンが響いた。涙はない。「2年半やりきった。悔いはないです」。穏やかな表情で、石垣投手は現実を受け止めた。2万9000人に与えた衝撃が色あせることはない。
「貫いてきた直球で押す投球は、間違ってなかったと思えた」と石垣投手。進路は「プロ一本」と明言した。佐藤と肩を並べ、聖地にしばしの別れを告げた。
参考記事
- 中日スポーツ 2025年8月14日 - プロ1本を明言の健大高崎・石垣元気、日本ハムスカウト部長は「1位の12人に入る選手」と言い切る
- デイリースポーツ 2025年8月14日 - 健大高崎・石垣元 出た155キロ!球場表示で歴代最速タイ
- スポニチアネックス 2025年8月14日 - 健大高崎 無念の初戦敗退…石垣元気155キロ計測「やりきった」進路は「プロ一本」