10月22日のドラフト会議まで1か月を切りました。今年、12球団の1位入札がほぼ確実に集中するのが、山梨学院の菰田陽生、横浜高の織田翔希、青山学院大の鈴木泰成、そして青山学院大の渡部海の4人です。
この記事では、4人 × 12球団=48通りの組み合わせを、すべて星4段階で評価しました。
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星4段階の見方
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| 評価 | 意味 |
|---|---|
| ★★★ | 最有力。ここに札を入れる前提で考えていい |
| ★★ | 十分あり得る |
| ★ | どちらとも言えない。読み切れないが根拠はある |
| — | 可能性は低い(ゼロという意味ではない) |
12球団 × 4選手 完全マトリクス
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| 球団 | 菰田 陽生 | 織田 翔希 | 鈴木 泰成 | 渡部 海 |
|---|---|---|---|---|
| 阪神 | — | — | — | ★★★ |
| 巨人 | ★★★ | — | ★ | ★★ |
| DeNA | ★★★ | ★★ | ★ | — |
| ヤクルト | ★★★ | — | ★★ | ★ |
| 広島 | — | ★ | ★ | ★★★ |
| 中日 | — | ★★★ | ★ | ★★ |
| ソフトバンク | ★★ | ★★★ | — | ★ |
| 西武 | ★★ | ★★ | ★ | — |
| 日本ハム | ★★ | ★★★ | — | — |
| オリックス | — | ★ | ★★ | ★★ |
| ロッテ | ★★ | — | ★★★ | — |
| 楽天 | — | — | ★★ | ★★★ |
| 入札圏(★★以上) | 7球団 | 5球団 | 4球団 | 6球団 |
渡部 海(青山学院大・捕手)|入札圏6球団
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★★★は阪神・広島・楽天の3球団。
阪神は9月24日のスカウト会議で1位の大本命として名前が挙がりました。1軍の捕手3人が全員ベテランで後継が不在、しかも大阪府出身という地元重視路線にも合致します。広島は6月の会議で球団自ら「長打を打てる捕手・野手」を最大の補強ポイントに設定。楽天は支配下の捕手7人のうち25歳以下がたった1人で、6球団で最も次世代が薄いポジションです。
そして今回、巨人・中日・オリックスを★★に引き上げました。 捕手は「要る球団と要らない球団」がくっきり分かれると思われがちですが、今年は12球団のうち半分に空きがある年です。
オリックスは「8人いても実質5人」
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支配下に8人。数だけ見れば足りています。ところが森は左手首の手術で離脱中、頓宮は右膝後十字靭帯の手術で復帰時期が未定、山中はそもそも本職ではありません。捕手として計算できるのは実質5人で、しかも若月・石川はともに31歳で13年目。編成の空き方でいえば、12球団でもっともきれいにはまるのがオリックスかもしれません。
菰田 陽生(山梨学院・二刀流)|入札圏7球団で最多
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★★★は巨人・ヤクルト・DeNAの3球団。入札圏7球団は4人のなかで最多です。
巨人は過去10年で1位に野手を指名したのが3回、うち2回が高校生。野手を狙うときは高校生の素材にいく球団です。ヤクルトは本塁打70本がリーグ最下位で、村上宗隆が抜けた穴が数字に露骨に出ています。
DeNAは今回いちばん評価を上げました。去年1巡目で佐々木麟太郎に札を入れており、規格外のスラッガーを1位で狙う意思表示を直近で実際にやっています。さらにスカウトが山梨学院にいちばん熱心に足を運んでいるとされ、球団が重視する人間性も問題なしという評価。地元・横浜高の織田より、実はこちらが本命ではないかと見ています。
日本ハムの評価を下げた3つの理由
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大谷翔平・柴田を二刀流で育ててきた球団ですから、本来いちばんハマるはずでした。それでも★★に下げたのは、①選抜大会以降、球団の幹部クラスが直接視察していない、②山梨大会で準決勝敗退・高校日本代表にも漏れ、全国や国際レベルで評価する機会が消えた、③すでに柴田という二刀流のプロジェクトが走っている、の3点です。
実際、9月28日のスカウト会議で投手の上位候補に挙がったのは有馬(立命館大)・鈴木(青学大)・織田(横浜高)の3人でした。
鈴木 泰成(青山学院大・投手)|9球団が候補、最有力は1球団
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東都1部の最優秀投手で、12球団のうち9球団が候補に挙げている。なのに★★★はロッテの1球団だけという、今年いちばん不思議な立ち位置です。
ロッテは先発防御率4.33がリーグ最下位。救援は2位なので、先発が試合を作れていないだけです。去年が高卒右腕の石垣だったので2年続けて高卒投手にはいきにくく、識者3人が全員一致で1位に推したのも12球団でここだけでした。
最有力が1球団しかない理由は2つあると見ています。ひとつは菰田・織田の特別感と、捕手で高校通算38本という渡部の希少性が強すぎること。もうひとつは、近年の大卒右腕先発がプロでほとんど成功していないことです。即戦力として計算が立ったのは競合した左腕の金丸・武内くらいで、青学に限れば常廣・下村・中西がいずれも1軍で苦戦しています。
裏を返せば、織田・菰田・渡部の抽選を外した球団が真っ先に向かう先が鈴木になります。今年の外れ1位、その最有力候補です。
織田 翔希(横浜高・投手)|星3つ3球団
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★★★は中日・ソフトバンク・日本ハムの3球団。
中日は6月以降のスカウト発言31件のうち9件が織田と、視察量が突出しています。ソフトバンクは福岡県北九州市出身という縁があり、補強ポイントに縛られない球団です。日本ハムの大渕スカウト部長は「変化球が全部低めにいって、しかも種類が多い。次の手、次の手を持ちながら投げている」と、今年もっとも解像度の高い評価を残しています。
ソフトバンクは、もう一度いけるのか
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去年、ソフトバンクが1位で指名した佐々木麟太郎は入団せずアメリカに残りました。同じ年にはジョージア大の選手も指名を拒否しており、ひとつのドラフトで複数の拒否が出たのは2006年以来です。その球団が今年もまたアメリカ志向の逸材に札を入れるのか。今年のドラフトでいちばんドラマチックな論点だと思います。
集計|星3つは3人が3球団ずつで並んだ
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星3つの数は菰田・織田・渡部がそろって3球団、鈴木が1球団。今年の目玉3人が、きれいに横一線で並びました。 差がつくのは星2つまで含めた入札圏の広さで、菰田7・渡部6・織田5・鈴木4球団。4人合計で10球団前後が札を入れ、8球団前後が抽選を外す計算になります。
なお西武とオリックスだけは4人の中に星3つがありません。 この2球団は関西大の米沢友翔など、4人の外側から1位を選ぶ可能性があります。
押さえておきたい制度の話|進路が決まるのは「指名した後」
織田の進路をめぐる報道が続いていますが、ここで制度を整理しておきます。
- ドラフト前に球団ができるのは挨拶と意思確認まで。契約交渉はできない
- 指名して初めて独占交渉権を得る。放棄も他球団への譲渡も不可
- 交渉権の期限は会議翌年の3月末日まで(社会人は翌年1月末、海外の学校に在学中の選手は翌年7月末)
- したがって進路はドラフト当日に決まるとは限らない。指名 → 交渉 → まとまらなければ入団に至らない
- なお、指名を拒否して海外へ渡った選手のNPB復帰を制限していた「田澤ルール」は2020年に撤廃済み
- ただし、指名して入団に至らなかった球団は、翌年その選手を再指名できない
つまり織田に札を入れる球団は、抽選を勝ち抜いたあとにもう一段、交渉というハードルが残っています。指名した1球団が、来年3月末までたったひとりで口説き続ける。引き当てても入団してもらえるとは限らない。その覚悟を持って札を入れる球団が何球団あるのか——10月22日は、そこに注目して見ていただけると何倍も面白くなると思います。
※ 本記事の評価は編集部の予想です。あなたの入札予想は「俺のドラフト予想」から投稿できます。