【ドラフト2027】あまりにも早すぎる2027年ドラフト1位12人予想
夏の甲子園も開幕し、2026年のドラフト戦線もいよいよ大詰めを迎えつつあります。
気が早すぎることは百も承知ですが、今年のドラフト戦略を考えるうえでも、来年の候補を把握しておくことは非常に重要です。ここでは2026年8月時点での評価をもとに、2027年ドラフトの1位候補12人を選出しました。
こうして並べてみると、とにかく左腕投手のレベルが高い世代です。150キロを超える左腕がこれだけゴロゴロいる年はそうそうありません。野手も190cmの大型スラッガーが2人、東都の首位打者が1人と、打つほうも決して見劣りしない顔ぶれになりました。
2027年ドラフト1位候補12人 一覧
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1位候補12人に加えて、最後まで迷った8人と次回以降の注目候補15人をまとめた一覧です(画像をタップで拡大できます)。
| # | 選手名 | 所属(2026年) | ポジション | 投打 | 最速/走力・肩 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 川本 晴大 | 大阪桐蔭・2年 | 投手 | 左投左打 | 151km/h |
| 2 | 岩見 輝晟 | 九州国際大付・2年 | 投手/外野手 | 左投左打 | 144km/h |
| 3 | 目代 龍之介 | 帝京・2年 | 外野手(投手兼) | 右投右打 | 50m6.0/遠投115m |
| 4 | 百合澤 飛 | 関西大・3年 | 投手 | 左投左打 | 152km/h |
| 5 | 髙橋 煌稀 | 早稲田大・3年 | 投手 | 右投右打 | 153km/h |
| 6 | 古堅 鈴之輔 | 富士大・3年 | 投手 | 左投左打 | 152km/h |
| 7 | 藤本 士生 | 國學院大・3年 | 投手 | 左投左打 | 149km/h |
| 8 | 大城 海翔 | 仙台大・3年 | 投手 | 左投左打 | 151km/h |
| 9 | 森田 大翔 | 帝京大・3年 | 三塁手 | 右投右打 | 50m6.4/遠投100m |
| 10 | 緒方 漣 | 國學院大・3年 | 遊撃手 | 右投右打 | - |
| 11 | 真鍋 慧 | 大阪商業大・3年 | 外野手 | 右投左打 | 50m6.3/遠投105m |
| 12 | 洗平 比呂 | JR東日本・高卒2年目 | 投手 | 左投左打 | 147km/h |
高校生編
1. 川本 晴大(大阪桐蔭・2年/投手)
192cm95kg/左投左打/最速151km/h/ストレート・スライダー
身長192cm、体重95kgという規格外の体格を誇る左腕で、すでに2027年ドラフトの「顔」と言っていい存在です。埼玉県飯能市の出身で、中学時代にはU-15日本代表のエースとして世界一を経験。その時点から複数球団のスカウトが動向を追いかけていた、筋金入りの逸材でした。
評価を全国区に押し上げたのが、今春のセンバツ1回戦・熊本工業戦です。150球を投げ抜いて被安打3、毎回の14奪三振で完封勝利。球場表示で147キロ、巨人スカウトのガンでは151キロを計測しました。特筆すべきはその内容で、150球のうち123球、実に82%がストレート。14個の三振のうち11個を真っ直ぐだけで奪っています。
大阪桐蔭の2年生が甲子園で完封したのは史上初、センバツで2年生が14奪三振以上の完封を記録したのは54年ぶり3人目という歴史的な快投でした。巨人のスカウトは「今年の高校生の中に入っても上位候補」とコメントし、そのままセンバツ優勝の立役者となります。
ただ、ここからが正念場でした。6月の第2週あたりには150キロを超える状態にあったものの、その後に違和感を訴え、MRI検査の結果は左肩の棘上筋の肉離れ。夏の大阪大会は開幕前日にまさかの登録外という事態となりました。西谷監督は「プロ野球でも10年で4人くらいしかいないという珍しい場所のけが」と説明し、復帰時期については「分からない」と語っています。
実力だけを見れば複数球団が競合してもおかしくない素材です。最後の1年、万全の状態でマウンドに戻ってこられるかどうかがすべての鍵を握ります。
2. 岩見 輝晟(九州国際大付・2年/投手 兼 外野手)
187cm78kg/左投左打/最速144km/h/ストレート・スライダー・チェンジアップ
長身細身から最速144キロのストレートを投げ込む左腕で、投げるだけでなく打つほうも一級品という二刀流です。スライダーは110キロ台後半〜120キロ台前半、チェンジアップは120キロ前後と、変化球の完成度も年代トップクラス。
名前を全国に轟かせたのは、1年生だった昨秋の明治神宮大会でした。決勝のマウンドで8回2/3を投げて被安打3、二桁となる11奪三振1失点の力投を見せ、チームを日本一へと導きます。1年生でこの投球です。この年代のトップクラスである山梨学院・菰田からも神宮デビュー戦で三振を奪っており、早くからスカウトの視線を集めていました。
今春のセンバツでも初戦で143キロを計測し、延長11回を投げ抜いて勝利。2回戦では智弁学園に敗れたものの、楠城監督が「制球が良くなって球が強くなった」と語る通り着実に力をつけています。中日のスカウトは「これからもっとスピードが出る。楽しみしかない」と将来性を絶賛し、ソフトバンクの編成本部長も「スピードガンより速く見えますね」とボールの質を高く評価しました。
迎えた今年の夏は背番号1を背負って福岡大会に臨み、初戦の北九州戦で5回を1安打無失点。準々決勝も7回途中1失点と好投を続けましたが、準決勝で東筑に9回に逆転を許して敗戦。春夏連続の甲子園はなりませんでした。逆に言えば、まだ伸びしろしか残っていないということ。体重を増やしてスピードがもう一段上がってくれば、一気に1位候補まで駆け上がる可能性を秘めています。
3. 目代 龍之介(帝京・2年/外野手)
187cm96kg/右投右打/50m走6秒0・遠投115m/投手として最速147km/h
高校生離れしたフィジカルを誇る外野手で、青森県八戸市の出身。中学時代は砲丸投げで青森県1位、全国大会にも出場したという、まさにフィジカルエリートです。投げれば最速147キロを計測する二刀流でもあり、そのスケールの大きさから1年生の頃からすでに来秋ドラフトの目玉候補として注目されてきました。
今春は16年ぶりのセンバツにも出場。そこからさらに「食トレ」に取り組み、体重を92kgから96kgまで増量してパワーアップを図ります。
その成果が形になったのが夏の東東京大会でした。準々決勝の郁文館戦、帝京は0対5とリードを許す苦しい展開。それでも8回、先頭打者として打席に入った目代が左翼席へ同点ソロを叩き込みます。高校通算22号、2試合連続となる値千金の一発でチームは息を吹き返し、そこから一挙4得点。11対8で大逆転勝ちを収め、2年ぶりのベスト4進出を決めました。本人は「真っすぐを上手く、力感もよく、6割くらいの力で振った」とコメントしており、詰まりながらもスタンドに運ぶこの技術とパワーこそが真骨頂です。
その打棒は海の向こうからも注目されており、メッツやカージナルスといったメジャー球団の日本駐在スカウトも視察に訪れています。ただ、準決勝の二松学舎大付戦では体調不良で途中交代。熱中症の疑いで試合後に救急搬送される事態となり、チームも7対3で敗れて15年ぶりの夏の甲子園には届きませんでした。
思うようにいかない夏になりましたが、ポテンシャルは間違いなく世代トップクラス。最後の1年でこの規格外の身体能力が結果に結びつけば、一気に1位指名まで浮上してくるでしょう。
大学生編
4. 百合澤 飛(関西大・3年/投手)
190cm97kg/左投左打/最速152km/h/ストレート(投球の8割超)・スライダー
左投げ左打ちの超大型本格派左腕で、2027年ドラフトの目玉候補です。出身は島根県松江市、開星高校。高校時代も最速143キロを誇り高卒でのプロ入りも視野に入っていましたが、関西大の早瀬前監督に見込まれて進学しました。中日のドラフト1位・金丸夢斗の投球に衝撃を受けたことも、大きなきっかけだったといいます。
関大では体幹を中心としたメニューで徹底的に体を鍛え上げ、入学時から球速はなんと9キロもアップ。ついに152キロの大台に到達しました。今春はリーグ最終節の京大1回戦で1安打10奪三振の公式戦初完封を達成し、チームを優勝へ王手をかけます。
全国の舞台でもその名を存分に知らしめました。全日本大学野球選手権2回戦・北九州市立大戦で先発すると、6回を投げて9奪三振3失点。92球のうち75球、実に81.5%がストレートという真っ向勝負で、関大を35年ぶりのベスト8へと導きます。「手元でホップする浮き上がるような快速球」と表現されるその直球は詰まったフライと三振の山を築き、内野ゴロはわずか1つだけという圧倒的な支配力を見せつけました。
チームはそのまま54年ぶり3度目の日本一に輝き、百合澤も一気に2027年秋ドラフトの最上位候補としてスカウト陣の調査リストに名を連ねます。金丸夢斗、そして今年の候補である米沢友翔に続く関大・左腕王国の正統な後継者。本人も目標は「来年のドラフト1位」と明言しています。190cmの左腕で152キロ。この時点で、複数球団競合は十分に見えている存在です。
5. 髙橋 煌稀(早稲田大・3年/投手)
184cm88kg/右投右打/最速153km/h/スライダー・カット・カーブ・チェンジアップ・スプリット
仙台育英高校出身、最速153キロを誇る本格派右腕です。高校時代は2022年夏の甲子園で東北勢初となる優勝に貢献し、翌年の夏も準優勝を経験した全国区の実績を持ちます。
早稲田では1年春にデビューを果たすと、2年秋には2戦目の先発として定着。5試合で3勝を挙げ、防御率1.86はリーグ3位という好成績で東京六大学3連覇に貢献しました。今季からは、楽天入りした伊藤樹の後継者としてエースの座を託されています。本人は伊藤について「ピッチングのうまさだけでなくて、マウンドさばきも秀逸でした。試合のほか、練習におけるチームを引っ張っていく姿もずっと見てきました」と語っており、その背中から多くを学んだといいます。
沖縄キャンプではトレーナーの指導で投球フォームを改善し、今春は初完投勝利も記録。球種もスライダー、カット、カーブ、チェンジアップ、スプリットと多彩です。ソフトバンクの永井スカウト部部長は「いいですよね。球のボリュームは、一番いいですよ」とコメントし、巨人の水野スカウト部長も150キロ近い直球を持つハイレベルな投手として高く評価しています。
チームは今春5位に終わり、本人が掲げていた最優秀防御率にも届きませんでしたが、六大学の看板を背負う150キロ右腕という存在感は健在。最終学年で数字が伴ってくれば、間違いなく1位候補の一角に食い込んでくるでしょう。
6. 古堅 鈴之輔(富士大・3年/投手)
178cm84kg/左投左打/最速152km/h/ストレート・スライダー・カーブ・チェンジアップ・スプリット
沖縄県立読谷高校出身の左腕で、最速は152キロに到達しています。がっちりとした体格から、セットポジションで大きなテイクバックを取って投げ込むのが特徴で、球種も豊富です。
2年秋から先発を任されるようになると、3年春には5試合で2勝0敗、防御率1.19という圧巻の成績を残し、2026年シーズンは59奪三振をマーク。与四球はわずか15と、制球力も非常に安定しています。通算成績は14試合で3勝2敗、防御率1.68。全日本大学野球選手権でも5イニングを投げて8奪三振と、その奪三振能力を全国の舞台で証明しました。
さらに今年のワールドカレッジベースボールチャンピオンシップでは152キロをマークし、大学日本代表としても経験を積んでいます。富士大といえば過去のドラフトで6人同時指名を出したこともある東北屈指のプロ輩出校。今年は角田投手が1位候補として名前を挙げられていますが、その次を担うのがこの古堅です。奪三振能力の高い150キロ超の左腕。これほど分かりやすい上位候補もそういません。
7. 藤本 士生(國學院大・3年/投手)
180cm86kg/左投左打/最速149km/h/スライダー・チェンジアップ・スプリット・カーブ
北海道千歳市出身で、土浦日大高校を経て國學院大へ進んだ左腕です。最速149キロのストレートに多彩な変化球を織り交ぜ、打者を巧みに翻弄するのが持ち味。
3年春からエースに定着すると、國學院大を東都リーグ7季ぶり5度目の優勝へと導きました。その勢いは全国の舞台でも止まりません。全日本大学野球選手権では全3試合に登板し、防御率0.71という驚異的な数字を記録。初めての東京ドームとなった初戦では最速149キロをマークして6回を無失点に抑え、「雰囲気を楽しみながら投げられた」と余裕のコメントを残しました。続く準々決勝の富士大戦ではリリーフで3回を無安打無失点に封じ、3対2の逆転勝利を呼び込む魂の投球を見せています。
通算成績は17試合で3勝3敗、75回1/3を投げて63奪三振、防御率2.15。大学日本代表候補にも選出されており、東都の優勝投手という肩書きはそれだけで大きな武器になります。安定感と大舞台での強さ。左腕としての完成度は、この世代でも上位に位置する存在です。
8. 大城 海翔(仙台大・3年/投手)
170cm75kg/左投左打/最速151km/h/ストレート・カーブ・チェンジアップ
小柄ながら最速151キロを投げ込む技巧派サウスポーです。沖縄県嘉手納町の出身で、滋賀学園高校時代は130キロ弱の技巧派左腕。しかも本人いわく、高校時代は「投手指導を受けたことがない」という異色の経歴の持ち主です。
それが仙台大に進学すると、球速が一気に10キロ以上アップ。1年秋にはいきなりリーグの最優秀選手賞を獲得し、「これぞ天才」と評されるほどの吸収力を見せつけました。2年時は腰痛に苦しみ思うような投球ができない時期もありましたが、3年春には開幕投手を任され完全復活を果たします。
今春は4試合に登板して22回1/3を投げ、35奪三振で与四球はゼロ。防御率0点台という圧倒的な内容でリーグの最優秀投手賞に輝きました。5月の東北福祉大戦では148キロ、149キロを連発した末に自己最速となる150キロに到達。持ち前の制球力を維持したままストレートの威力が格段に増しています。
通算では87回1/3を投げて110奪三振、防御率0.82。今年のワールドカレッジベースボールチャンピオンシップでは日本代表として2試合無失点と、国際舞台でも結果を残しました。球速の伸びが止まらないという点で、最も評価を上げる可能性が高い一人です。
9. 森田 大翔(帝京大・3年/三塁手)
180cm82kg/右投右打/50m走6秒4・遠投100m
大阪・履正社高校出身の三塁手です。履正社では2年生から不動の四番を任され、高校通算34本塁打をマーク。2023年にはプロ志望届を提出しましたが指名はなく、帝京大へと進みました。
遠投100m、50m走6秒4という身体能力を持ち、何より、思い切り振り切るスイングから生まれるパンチ力が最大の魅力です。複数球団のスカウトも「バットが内から出るので、様々な球種に対応できる」と、その打撃技術の高さを指摘しています。
2年秋のリーグ戦では打率.417、3本塁打をマークして三塁手としてベストナインを受賞。通算でも5季56試合に出場して打率.317、63安打6本塁打29打点と安定した数字を残してきました。一方で、今春は13試合で打率.234、1本塁打と本人も納得のいかないシーズンに。5月3日の日体大戦では2ランを含む3安打3得点と本来の姿を見せましたが、シーズンを通した確実性という点では課題も残っています。
とはいえ、右の長距離砲というのはどの球団にとっても常に不足しているポジション。希少価値という意味では、この12人の中でもトップクラスです。
10. 緒方 漣(國學院大・3年/遊撃手)
右投右打/神奈川・横浜高校出身
中学時代から「守備は全国トップクラス」と評価されてきた、抜群のセンスを持つ内野手です。2023年のU-18ベースボールワールドカップでは日本代表の遊撃手として大会MVPを獲得しました。
その守備力に、大学に入ってから打撃が追いついてきました。今春の東都リーグでは13試合で打率.432をマークして首位打者を獲得。さらに最高殊勲選手賞、そして遊撃手として3度目となるベストナインにも選ばれ、國學院大の7季ぶり5度目の優勝を、まさに打って守って牽引しました。
通算成績も75試合で打率.345、76安打6本塁打40打点、出塁率.479、長打率.523と非常に高い水準でまとまっています。昨年には大学日本代表にも選出されており、実績という点では申し分ありません。守備力に確実性、そして長打も打てるショートというのは、どの球団も喉から手が出るほど欲しいピースです。
11. 真鍋 慧(大阪商業大・3年/外野手)
190cm98kg/右投左打/50m走6秒3・遠投105m
恵まれた体格を誇る大型スラッガーです。広島の名門・広陵高校時代には高校通算61本塁打を放ち、「広陵のボンズ」の異名で全国にその名を轟かせました。広陵の監督が、OBである中村奨成と比較して「飛ばす力は上」と語ったほどの規格外の飛距離が持ち味です。
ただ、そのキャリアは決して平坦ではありませんでした。2023年のドラフトでは「3位以内の指名でなければ大学進学」という条件を示した結果、指名を受けることなくドラフトを終え、大阪商業大へと進学します。
大学では1年春から22試合に出場して25安打2本塁打、打率.316と好スタートを切り新人賞を受賞。その後も打撃フォームを試行錯誤し続け、グリップを下げた変則的な構えから、オーソドックスな構え、そしてノーステップ打法へと変化させながら自分の形を模索し続けてきました。
その積み重ねがついに花開いたのが今春です。関西六大学リーグで打率.472、36打数17安打。3本塁打と15打点はいずれもリーグ1位、出塁率は.620という驚異の数字を叩き出し、3度目のベストナインに輝きました。この成績、実は阪神の佐藤輝明が近畿大3年春に記録した打率.333、2本塁打、12打点をすべての項目で上回っています。リーグ最終節では5打席すべてで出塁して4打点の大暴れ。チームを2季ぶり29度目の優勝へと導きました。
指名漏れという悔しさを糧に頂点まで這い上がってきたスラッガー。2027年ドラフトの野手ナンバーワン候補と言って、差し支えないでしょう。
社会人編
12. 洗平 比呂(JR東日本・高卒2年目/投手)
178cm80kg/左投左打/最速147km/h/カーブ・カットボール・スライダー・チェンジアップ
千葉県船橋市出身で、八戸学院光星高校からJR東日本入りした左腕。2027年ドラフトで解禁を迎えます。
まず触れておきたいのが、その血筋です。父は元中日の洗平竜也さん。同じ左腕で、同じ八戸学院光星のOBという、まさに親子二代の系譜です。本人も「父はプロ以外にも、大学や社会人チームを経験しているので、本当に信用しています。自分の投球フォームは父が全部土台を作ってくれた」と語っており、その存在が今も大きな支えとなっています。ちなみに「比呂」という名前は、野球漫画『H2』の主人公・国見比呂から取られたもの。社会人で絶対的なヒーローになる、という思いを名前に背負って投げています。
高校時代は1年夏に甲子園初出場を果たすと、2年夏には明桜戦で4安打完封を達成。3年春もセンバツに出場し、甲子園通算6試合登板という実績を残しました。ただ、3年夏は左肘痛に苦しみ、最速134キロにとどまって青森大会準々決勝で敗退。社会人入り後の昨年9月には左肘のクリーニング手術を受け、1年目は公式戦登板ゼロという、完全に「育成の1年」を過ごしました。
その苦しい1年を経て、2年目の今季ついに本領を発揮します。ストレートは常時140キロ台中盤をコンスタントにマークするようになり、カーブ、カットボール、チェンジアップの精度も向上。3月のJABA東京スポニチ大会ではチームの準優勝に貢献して敢闘賞を受賞すると、6月30日のNTT東日本戦では9回を投げ抜いて1失点という完投勝利を挙げました。都市対抗の東京2次予選でも代表決定戦の先発という大役を任され、チームを17年連続の本大会出場へと導いています。浜岡監督も「洗平が成長したのが大きい」と、その飛躍を高く評価しました。
そして8月26日から東京ドームで開幕する第97回都市対抗野球大会。ここで大暴れすることができれば、即戦力左腕として一気に1位候補の中心に躍り出る可能性を秘めています。
最後まで12人と迷った候補8人
12人に入れるかどうか、最後まで悩んだのがこの8人です。正直、今回12人に入れた選手との差はほとんどありません。
| 選手名 | 所属(2026年) | ポジション | 投打 | 注目ポイント |
|---|---|---|---|---|
| 中山 優月 | 大阪商業大・3年 | 投手/内野手 | 右投左打 | 最速152キロ右腕にして二遊間も守る二刀流。大学日本代表 |
| 黒木 陽琉 | 亜細亜大・3年 | 投手 | 左投右打 | 神村学園出身の長身左腕。ゆったりしたフォームから力のある直球 |
| 川上 慧 | 横浜・2年 | 遊撃手/外野手 | 右投左打 | U-15W杯MVP。1年春から公式戦スタメンを掴んだ強肩快足 |
| 小林 鉄三郎 | 横浜・2年 | 投手 | 左投左打 | 2年夏に自己最速150キロ。中本牧シニアでジャイアンツカップ優勝 |
| 石垣 聡志 | 健大高崎・2年 | 投手 | 右投右打 | 最速148キロ。ナックルカーブを操る背番号1 |
| 石野 蓮授 | 國學院大・3年 | 外野手 | 右投右打 | 2026年春の東都で本塁打王、ベストナイン初受賞の主砲 |
| 細野 龍之介 | 富士大・3年 | 投手 | 右投右打 | 札幌新陽出身。古堅とともに富士大の投手陣を支える |
| 仁田 陽翔 | 立正大・3年 | 投手 | 左投左打 | 仙台育英時代から知られる常時150キロ前後の快速左腕 |
中でも横浜の川上慧については、個人的にはこの中で一番12人に食い込む可能性が高いと思っています。
次回以降の注目候補15人
今回は詳しく取り上げませんでしたが、秋以降に一気に浮上してくる可能性のある選手たちです。
| 選手名 | 所属(2026年) | ポジション | 投打 |
|---|---|---|---|
| 山本 蒼翔 | 浜松開誠館・2年 | 投手 | 右投右打 |
| 林 将輝 | 大阪学院大高・2年 | 投手/遊撃手 | 右投右打 |
| 森 健成 | 北海・2年 | 投手 | 右投右打 |
| 太田宗一郎忠成 | 済美・2年 | 外野手 | 右投左打 |
| 小林 隼翔 | 立教大・3年 | 遊撃手 | 右投右打 |
| 高中 一樹 | 東洋大・3年 | 遊撃手 | 右投右打 |
| 山口 翔梧 | 青山学院大・3年 | 遊撃手 | 右投右打 |
| 岡村シルバー魁人 | 上武大・3年 | 外野手 | 左投左打 |
| 湯田 統真 | 明治大・3年 | 投手 | 右投左打 |
| 清水 凰史 | 岐阜聖徳学園大・3年 | 投手 | 右投右打 |
| 天野 京介 | 名城大・3年 | 投手 | 右投右打 |
| 眞邉 麗生 | 駒澤大・3年 | 内野手 | 右投右打 |
| 高須 大雅 | ヤマハ・社会人1年目 | 投手 | 右投右打 |
| 平野 大智 | トヨタ自動車・社会人1年目 | 投手 | 右投右打 |
| 久野 悠斗 | 日本生命・社会人1年目 | 投手 | 左投左打 |
高校生では北海の森健成が2年生ながら155キロをマーク、大学生では明治大・湯田統真、名城大・天野京介といった150キロ超の右腕が控えています。社会人の3人はいずれも2026年に大学を卒業して入社した1年目で、2027年ドラフトが解禁初年度です。
まとめ
改めて12人を並べてみると、150キロ超の左腕が5人という左腕豊作年であることがよく分かります。川本晴大、百合澤飛という190cm級の大型左腕が2人もいるのは、この世代ならではの特徴です。
野手では190cmの真鍋慧、187cmの目代龍之介という大型スラッガーに加え、東都の首位打者・緒方漣、右の長距離砲・森田大翔と、タイプの異なる4人が並びました。
もちろん、これはあくまで2026年8月時点の予想です。そもそも2027年世代はまだ評価が固まりきっていない選手ばかりで、今回12人に入れた選手と次点で挙げた選手の差も、正直ほとんどありません。ここから秋のリーグ戦、そして来年の春夏を経て、顔ぶれは間違いなく大きく入れ替わります。
今回名前を挙げられなかった選手が一気に浮上してくるのか。その変化もぜひ一緒に追いかけていきましょう。
※データはすべて2026年8月14日時点。所属・学年は2026年シーズンの表記です。