約1か月ぶりの実戦で圧巻の投球
9月24日の中大戦以来、約1か月ぶりの実戦マウンドに立った中西聖輝。右肘の炎症で慎重な調整を重ねてきたが、この日は9回1/3を投げ4安打、9奪三振、1失点(自責0)という圧巻の内容だった。
182センチ、90キロのガッチリした体形からノーワインドアップで淡々と捕手のミットめがけて投げていく。最速149キロの直球にフォークを織り交ぜ、亜大打線を翻弄した。9回まで亜大打線を2安打無得点に封じ込める完璧な投球だった。
延長10回120球の熱投も惜敗
両軍無得点でタイブレークに突入した延長10回、中西聖輝は120球目の直球を痛打されてサヨナラ負けを喫した。しかし、復帰初戦と思えぬ熱投でゲームを支配し続けた。
10回まで15球以上投じたイニングが2、4回のみという効率的な投球。9三振を奪い、最速152キロの直球と高精度の変化球で即戦力の呼び声が高い実力を存分に発揮した。
安藤監督が慎重な復帰調整を説明
安藤寧則監督(48)は「よく投げた。2カード空いての登板でこれだけのピッチングができるのは、やはり大したもの」とねぎらった。
復帰に向けては極めて慎重な調整を重ねてきたという。「本人は早く投げたいという気持ちを持っていたが、トレーナー、ドクターと何度も話し合い、CTまで撮って完全に異常がないことを確認した上で送り出した」と説明。
「レントゲン、MRIに加え、最終的にCTで"99.9%問題なし"と分かって初めて決断できた」と背景を明かした。中西聖輝の将来を考えた慎重なアプローチだった。
スカウト陣が絶賛の評価
ドラフト会議直前の復帰登板を見ようと、スカウト陣がネット裏に集結した。1位指名候補として熱視線を送る中日も3人態勢でチェック。担当の岡野祐一郎アマスカウトは手応えを語った。
「肘の状態がどうなのかなっていう確認はしました。1カ月ぶりの登板でこういう素晴らしい投球を見せていただいた。問題があるとは思わないです」とひと安心の表情だった。
ロッテの福沢スカウトも「もともと力のある投手。ひじの具合を心配していたが、順調に回復している。ひと安心です」と2日後のドラフト会議を見据えてコメントした。
総合力で勝負する投手
岡野スカウトは中西聖輝の投球内容を詳しく分析した。「総合力で勝負し、試合をつくる能力がたけた投手」とほれ直し、「カーブ、フォーク、直球と抑え方が他の大学生より何パターンもある」と高く評価した。
単なる球速だけでなく、配球や駆け引きを含めた総合的な投球術が評価されている。これこそがプロで即戦力として期待される理由だ。
トミー・ジョン手術を乗り越えて
智弁和歌山高3年時にエースとして夏の甲子園を制した中西聖輝だが、右肘内側側副じん帯再建術(通称トミー・ジョン手術)を受け、大学入学直後はリハビリに専念した。
3年から頭角を現し、4年春は9試合に登板し3完投。計70イニング1/3で防御率1.41と抜群の安定感を見せ、投球回を上回る87三振を奪った。7月の日米大学野球の米国戦でも6回まで3安打1失点、8奪三振と好投していた。
選手基本情報
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 名前 | 中西聖輝(なかにしまさき) |
| 学年 | 4年生 |
| ポジション | 投手 |
| 投打 | 右投右打 |
| 身長・体重 | 182cm・90kg |
| 出身地 | 奈良県 |
| 出身校 | 智弁和歌山高校→青山学院大学 |
| 最速球速 | 152km/h(この日は149km/h) |
| 得意球 | ストレート、スライダー、カーブ、フォーク、チェンジアップ |
| ドラフト年度 | 2025年 |
| 主な実績 | 高校3年夏:甲子園優勝 大学4年春:防御率1.41、87奪三振 日米大学野球出場 |
今秋は右肘の炎症でコンディション面の懸念があったが、この復帰登板で完全に払拭された。ドラフト会議を2日後に控え、中西聖輝の株は大きく上昇したと言えるだろう。
トミー・ジョン手術という大きな試練を乗り越え、大学4年間で着実に成長を遂げた本格派右腕。23日のドラフト会議で、どの球団が交渉権を獲得するのか注目される。
参考記事
- Yahoo!ニュース 2025年10月21日 - 青学大のドラフト1位候補右腕、中西聖輝 右肘完治の熱投
- 中日新聞 2025年10月21日 - 中日ドラ1位候補、青学大・中西聖輝、竜スカウトも惚れ直す快投