安藤丈二は3回2死からインコースの直球を左翼席へ運んだ。ダイヤモンドを回る表情を崩さなかったのは「試合中は感情の起伏を抑え、相手に恐怖を与えたい」という意識の表れだという。心の内では「わっしょい」と跳びはねていたと笑い、勝負どころでも余裕を漂わせる二刀流ぶりを印象づけた。
感情を制御した一打
リードがわずかな場面で放ったソロ本塁打は、帝京ベンチの雰囲気を一変させた。打球は左翼席最前列へ一直線に飛び込み、国士舘の守備隊形を揺さぶった。歓喜を抑えた振る舞いについて安藤丈二は「ホームランでも喜ばないことで相手に余裕を見せつけたい」と語り、勝負師らしい計算がのぞく。内心は歓喜に沸きながらも、ベンチに戻る背中は終盤まで気を抜かない覚悟を示していた。
三種類のチェンジアップが描いたゼロ
マウンドではチェンジアップを3種類使い分けた。球速差と軌道を変えることで的を絞らせず、序盤からゴロアウトを量産。要所で真っすぐを内角に差し込み、五回を無失点で締めて降板した。カウント球として緩いチェンジアップを投げ込む一方、決め球には鋭く落とす球種を選択する周到さが光った。投球内容は完璧ではないと自己評価したが、打者を打たせて取る省エネ投球が終盤の大量得点につながった形である。
帝京復活へ向けた視線
試合後、安藤丈二は「勝って当たり前のチームが帝京だ。自分たちの代で流れを取り戻したい」と言葉を選んだ。15年ぶりの甲子園出場がかかった決勝では、2季連続出場を狙う関東第一と激突する。名門復活を掲げる帝京にとって、安藤の冷静さと爆発力が鍵となる。投打での貢献に加え、感情をコントロールする姿勢が大舞台の圧力を和らげている。
選手情報
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 名前 | 安藤丈二(あんどう じょうじ) |
| 学年・年齢 | 高校2年(年齢非公表) |
| ポジション | 投手/一塁手 |
| 投打 | 右投右打 |
| 身長・体重 | 174cm・83kg |
| 出身校・チーム | 帝京高校 |
| 最速球速 | 139km/h |
| 得意球・プレースタイル | 三種類のチェンジアップを使い分ける右腕で、打撃でも長打力を備える二刀流 |
| 主な実績 | 2025年秋季東京都大会準決勝で5回無失点、ソロ本塁打を含む2安打2打点を記録 |