投手候補7名
1. 石垣元気(健大高崎)
力感のないフォームから常時150キロ台のストレートを連発する最速156キロを誇る右腕。初戦敗退となったが、甲子園でもその逸材ぶりを発揮した。
京都国際との試合では3点ビハインドの7回から登板し、自己最速にあと1キロに迫る155キロをマーク。2イニングを2安打無失点で抑えた。
センバツ直前に左わき腹を痛めたこともあって、再発しないように投球数が少なくて済むリリーフを担当したが、本来は先発で長いイニングを投げられる投手だ。
真っ直ぐばかり注目されがちだが変化球も一品で、カットボールやフォークなど多彩な変化球を用いて三振を多く奪う。間違いなく今年の高校生投手でナンバーワン評価の投手だろう。
最新のスカウト評価
- 広島・田村スカウト部長「当然。最上位ですよ。石垣君に関しては大学、社会人を含めても、上位になってくるんじゃないかというものを持っていますし。高校生であれだけの球を投げられるのはすごいことだと思います」
- 巨人・榑松スカウトディレクター「ドラフトの上位12人に入る可能性のある投手だと思います」
- DeNA・八馬アマスカウティンググループリーダー「今年の高校生の中ではNO・1。速球に目が行きがちだけど、今日は変化球がよくなっていた。カットボールもフォークも一級品。」
2. 佐藤龍月(健大高崎)
最速147キロのノビがある真っ直ぐとキレのあるスライダーで打者を打ち取るドラフト注目左腕。
昨年の春のセンバツ甲子園大会で22回を投げて被安打5、奪三振22、自責点0というとんでもない好投を見せ一気に評価を上げた投手でもある。
その後、左肘の故障のため甲子園大会のベンチ入りメンバーから外れると、高校生ながらトミージョン手術を決断し、長らく実戦から離れていたが、6月22日の対外試合で330日ぶりに復帰登板を果たした。
驚異的な回復で甲子園に登板できるまで状態を戻してきた。今回の甲子園では2.1回を投げ、自責点2と打たれてしまったが、球の強さを見せつけるなどスカウトにもアピールに成功した。
最新のスカウト評価
- DeNA・稲嶺スカウト「手術前はキレで勝負する投手だったが、球に強さが出てきた」
- 楽天・井上スカウト「指にかかった時のストレートの質は良かった。投げるごとに少しずつ調子が上がっている印象」
- 巨人・大場スカウト「ケガをする前の去年の実績やスライダーの威力は皆が知るところ。十分ドラフトのリストに載る投手だと思います」
3. 早瀬朔(神村学園)
185cm の長身から繰り出すマックス151キロのストレートが武器の右腕で、足を高く上げる投球フォームは、ドジャースの佐々木朗希投手に非常に似ているとも言われている。
2年夏の甲子園で岡山学芸館に対して1失点完投勝利を上げ、一気にドラフト候補として注目を浴びると、3年春の県大会で大台の150キロを計測。さらに九州大会では主にリリーフとして活躍し優勝に貢献した。
甲子園では創成館相手に、被安打10を記録するも7回1失点の好投を見せ、スカウトを唸らせる結果に。大会後にはU18の日本代表にも選出されるなど、その実力は評価されている。
最新のスカウト評価
- パリーグ匿名スカウト「左足が高く上がって、体も柔らかそうですし、腕もよく振れています。体が細い分、これからも伸び余地がある。早瀬が石垣の次に良く見えました」
- 横浜DeNA・河原スカウト「雰囲気は佐々木朗希っぽい。鍛えていったら伸びしろがあるんじゃないか」
4. 奥村頼人(横浜高校)
無敵の王者・横浜高校を投打で牽引してきた左の二刀流選手。
投げては最速146キロの直球に加え、スライダーやチェンジアップなど多彩な変化球を操りながら、制球よく内と外を使い分け打者を翻弄するサウスポー。
打者としては、高い打撃センスとここぞという時に長打を放つチャンスでの強さを持ち、強者揃いの横浜高校で4番を任された全国指折りの強打者だ。
2年生の夏からエースナンバーをつけると、2年秋の神奈川、関東、そして神宮大会では無双状態で34.1回を投げ32奪三振、防御率0.26と圧巻の投球を見せた。
最新のスカウト評価
- 西武・前田スカウトチーフ「強くて重い球、飛距離が魅力」
- 中日・松永スカウティングディレクター「投手としても見ているが、あれだけ打てるようになった。引っ張っての本塁打が印象的。」
- 巨人・森中スカウト「投手としてはバランスが整っている。打者としてもあれだけ打てるのは魅力」
5. 吉川陽大(仙台育英)
最速147キロの直球とキレのあるスライダーやカットボールを武器に、奪三振を量産するプロ注目の先発左腕。元バレーボール女子日本代表監督と元リベロの両親を持つ、スポーツエリートのサラブレッドでもある。
2年生の秋の新チームからエースナンバーを背負うと、宮城大会と東北大会で19.1回を投げ18奪三振、防御率0.00と好投を見せ、東北大会ベスト8に貢献。
夏の甲子園では26.2回を投げ31奪三振、防御率1.46と、全国大会でもハイクオリティのピッチングを見せた。特に、沖縄尚学戦では負けてしまったものの、11回151球の熱投を見せ、さらに終盤でも144kmの球速を計測するなど、スタミナがあることも証明した。
最新のスカウト評価
- 巨人・榑松スカウトディレクター「スライダーという武器があり、伸びしろもたっぷり」
- 阪神・葛西スカウト「甲子園で自分の投球がしっかりできている。ずっと安定してゲームが作れる」
- DeNA・稲嶺スカウト「ここぞで投げ切る勝負根性は高校生上位」
6. 江藤蓮(未来富山)
180cm83kgのガッチリとした体格から最速145kmのストレートと多彩な変化球を投げ込む左腕で、球速以上のキレと安定した制球力、馬力ある投球はプロからの評価が非常に高い投手だ。
野球に集中できる環境を求めて通信制高校の未来富山を選ぶと、1年春からベンチ入りし、秋にはエースナンバーを背負う中心選手に急成長。
3年夏の県予選の4試合で全てに先発し、30回を投げ37奪三振、防御率1.50とエースにふさわしい力投で創部初の甲子園出場を決めた。
最新のスカウト評価
- 巨人・榑松スカウトディレクター「馬力がありました」
- 阪神・筒井スカウト「コントロールは元々いいし、伸びしろがある左腕」
- ヤクルト・橿渕スカウトグループデスク「投打に才能がある。野球センスがある」
7. 石山愛輝(中越)
最速148キロを誇るオーバースローの本格派右腕で、鋭く落ちるスライダーと小さく落ちる2種類のスライダーを武器に多くの三振を奪う投手だ。
高校2年の秋にエースナンバーをつけると、ある試合では1試合16奪三振を記録するなど、6試合に登板し47回を投げ64奪三振、防御率0.77と驚異的な活躍を見せ、一気にプロ注目の存在となった。
3年生の春から6月にかけて、テイクバックや足の出し方、リリースの感覚などがわからなくなり「どうやって投げればいいのかわからない」という深刻な状態に陥ったが、フォームを1から作り直すことを決意。
夏の新潟大会の直前にようやく光が見え始め、終わってみれば5試合17.2回で27奪三振、防御率1.02、奪三振率13.75をマークする素晴らしい結果を残した。
野手候補4名
1. 清水詩太(京都国際)
高いミート力と高校通算9本塁打の長打力を兼ね備える、強打の右バッター。主なポジションはサードで、ショートを守ることもある。
中学3年生時に福井県選抜に選ばれるほどの実績を残して、全国区の京都国際に進学。1年秋からメンバー入りすると、直後から主力として出場し、2年生の夏は府大会で打率.429をマークするなど打ちまくり、甲子園にも出場。サードのレギュラーとして甲子園優勝に貢献した。
監督のアドバイスで木製バットでの打撃練習を開始すると、夏の京都大会では、4番に座った初戦で3安打を放つなど「打線の軸」としてチームを牽引し、この京都大会では打率.471、1本塁打、6打点と活躍し、見事甲子園出場を達成した。
最新のスカウト評価
- 巨人・榑松スカウトディレクター「内野手は京都国際の清水君の高いミート力に目を見張りました」
2. 高田庵冬(仙台育英)
高校通算30本塁打を誇る強打者で、仙台育英の須江監督も歴代No.1の飛ばす力と評価するほどの右のパワーヒッター。
飛ばす力だけでなく50m6.1秒と足が早く盗塁も得意であり、さらにサードの守備も非常に安定しているので、打撃だけでなく走塁や守備にも強みを持った選手だ。
中学時から関西地区の選抜チームに選出された経歴を持ち、強豪の仙台育英に進学すると、1年秋から早速ファーストのレギュラーを獲得し、主に下位打線でその長打力を遺憾なく発揮。
夏の甲子園に乗り込むと、3試合に出場し12打数5安打で打率.417、1本塁打、2打点をマーク。サードの守備でも軽快な守備を見せた。
3. 今岡拓夢(神村学園)
180cm82kgの大型遊撃手で、通算13本塁打の長打力を誇る右の強打者。
打撃ではバランスの良いレベルスイングで広角に長打を放つのが特徴で、スイングが速く打球が強いだけでなく、打球に角度をつけるスラッガーとしての能力も持ち合わせている。
守備では、大型ショートにも関わらず細かいステップと足さばきが良いと評価されており、送球の精度に課題があるものの、プロでもショートとして観てみたいと思わせる守備力を有している。
中学3年時に全米選手権に日本代表として出場するほど評価されていた選手で、お兄さんの今岡歩夢選手が在籍する神村学園に進学すると、1年生の春からベンチ入りを果たした。
最新のスカウト評価
- 巨人・榑松スカウトディレクター「目立っていた」と評価
4. 松井蓮太朗(豊橋中央)
長打力が魅力の左打ちのキャッチャーで、二塁送球2秒前後の肩と勝負強い打撃が持ち味の強肩強打の選手。
ヘッドスピードが非常に早く、ファーストストライクから積極的にフルスイングするスタイルで長打を量産しており、強引に引っ張るだけでなく左方向にうまく流すような広角なバッティングも得意としている。
萩本監督はプロ入りした谷川原選手や、中川拓真選手よりも「キャッチャーとしては松井が上。試合の支配力があるし、仮に打てない日でもしっかり守ることができる」と評価している。
最新のスカウト評価
- 巨人・榑松スカウトディレクター「リズム感があり返球や声かけなど捕手に必要な資質を持っている」
進学予定だが注目の選手たち
投手
右腕
- 木下鷹大(東洋大姫路):怪我人が多い中最後までエースとして奮闘
- 森下翔太(創成館):力強い真っ直ぐを武器に、20.1回を投げ16奪三振、防御率1.33と好投しベスト16入りに貢献
- 田中勇飛・鈴木欧音(鳥取城北):田中投手はサイドハンドで148キロを計測、鈴木投手は4回を投げ5奪三振、無失点と好投
- 宮口龍斗(智弁和歌山):リリーフ登板で1失点しながらも3回をしっかり投げ抜き、持ち前の力ある真っ直ぐを披露
- 高橋大喜地(豊橋中央):決勝進出した強打の日大三打線相手に8回3失点と力投
左腕
- 西村一毅(京都国際):初戦の健大高崎戦で9回を3失点完投で好投するなど、ベスト16入りに貢献
- 桑山晄太朗(津田学園):初戦の叡明高校に12回を投げ3失点、そして横浜高校相手に8回3失点とエースに相応しい投球
- 廣瀬賢汰(尽誠学園):昨夏王者の京都国際に対して9回3失点完投、打っては一時逆転となる2点タイムリーを放つ
- 坂本慎太郎(関東第一):19回を投げ防御率2.37、打率.364と投打で存在感を示した
野手
進路未定の注目選手
- 川尻 結大(仙台育英):沖縄尚学戦で3安打3打点と活躍、エース吉川陽大投手を好リードでサポート
- 奥村 凌太・為永 皓(横浜高校):高いバッティングセンスと守備力を有し、甲子園でも打撃・守備両面で高い能力を発揮
- 冨田 祥太郎(天理):大型セカンドで甲子園でも鋭い当たりを連発
- 梅村 団(山梨学院):主将として攻守に渡って活躍
- 高畑 知季(東洋大姫路):打撃こそ不調だったが持ち前の守備力を発揮
進学予定の注目選手
- 横山 悠(山梨学院):4番として甲子園で打率.667と打ちまくり
- 遠矢 文太(高川学園):未来富山の江藤蓮投手からホームランを放つなど長打力を発揮
- 宜野座 恵夢(沖縄尚学):2年生投手2人をリードしながら、打撃でも甲子園で3割以上をマーク
- 阿部 葉太(横浜):絶好調とは行かないまでも攻守に渡って良いプレーを披露
- 本間 律輝(日大三):決勝で3安打1打点と本来の力を発揮
まとめ
夏の甲子園で評価を上げたドラフト注目候補を見てきた。10月23日のドラフト会議まで残り2か月を切る中、これらの選手がどの球団から指名を受けるかに注目が集まる。
特に投手では石垣元気投手が最上位評価で確実視されており、野手では清水詩太選手や高田庵冬選手らの動向に注目したい。
進学を予定している選手たちも含めて、4年後のドラフトで1人でも多くの選手がNPBを目指し指名されることを期待したい。