「8割くらいの出力」で147キロ&6回ノーノー
センバツで152キロを記録した菰田投手だが、この日は甲子園初先発ということで、「少しでも長いイニングを投げるために、8割くらいの出力でした」と話した。194cmの長身から投げ下ろすストレートは最速147キロだったが、6回まで聖光学院打線を1四球と味方の2失策のみに抑える完璧なノーヒットピッチングを披露した。
7回に先頭打者に初安打を許し、同点タイムリーを浴びたところで降板となったが、自己最長となる6回1/3を投げて2安打1失点。「ここまで投げられたのは、ひとつの成長だと思います」と、確かな手応えを掴んだ。
相手の5番打者も「高めの真っすぐの威力が想像以上で、とらえたと思ってもファウルになりました」と、その球威に脱帽した。
監督陣の戦略が的中
山梨大会ではリリーフで4イニングを投げたのみだった菰田投手。聖光学院の斎藤智也監督は「山梨学院の先発は檜垣くんを予想していた。菰田くんがきたというのは想定外だった。うちの選手はスピードボールには対応できるが、菰田投手の角度と球筋が独特で最後までストレートを打つことができなかった」と話した。
山梨学院の吉田洸二監督も、「聖光学院は投手を分析して攻略するのが得意なので、相手にマークされていないであろう菰田をジョーカーとして起用した」と話し、見事に狙いが的中した。
スカウトの声
この日の投球には、視察したプロのスカウトも賛辞を惜しまなかった。
中日・松永スカウティングディレクター:「前でボールを離せるので、スピード以上にバッターがさされている。力がある球には、バッターも力で押し負けて内野ゴロになり、きちんと捉えきれていなかった。来年のドラフト上位候補になると思う。体が大きく、ボールに角度があっていい。まだまだ伸びしろもある」
巨人・榑松スカウトディレクター:「強弱を付けながら打たせて取るピッチングができていた。春と比べて一段階レベルが上がっている感じがして、このまま順調に成長すれば、来秋のドラフト候補になると思う」
北海道日本ハム・坂本スカウト:「来年のドラフトの目玉になるでしょう。二刀流をやりきってほしい」
二刀流の進化は続く
今春のセンバツで152キロをマークし、一躍全国にその名を知らしめた山梨の怪物。山梨大会中にセットポジションからノーワインドアップにフォームを変更したことで、「体重が乗り、勢いがついた」と、この夏中も進化を遂げた。
球速147キロというのはもちろんすごいのだが、近年は高校生の打者も球速に対応した打撃ができるようになっており、以前のように球速だけで抑えられる投手はほとんどいなくなっている。その中で、決め球となる変化球を持つことで、相手を抑えることができるのだが、この日の菰田投手は変化球や制球力では、同じく2年生で、ここの甲子園で完封勝利を挙げている横浜・織田翔希投手や沖縄尚学・末吉良丞投手のレベルには届いていない。
しかし、それでも147キロのストレートでも抑えることができるのは球速とは別の何かで、リリースの近さだろう。もちろん、今後は常時150キロ超の球を投げ、制球された球、そして変化球を磨くことでどんどん上がっていく投手だが、このリリースの特徴を持って行ければ、唯一無二の投手として活躍して行けるだろう。
二刀流として打撃のほうでは、この日は「7番・投手」として出場し、打撃では3打数無安打に終わったが、「まだこの舞台に立てるので、もう一つ成長した姿を見せられたら。打席でも打てるように頑張ります」と、次戦での打での活躍も誓った。憧れの大谷翔平選手のように、投打で聖地を沸かせる。
選手基本情報
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 名前 | 菰田陽生(こもだ はるき) |
| 学年・年齢 | 2年生・16歳 |
| ポジション | 投手、一塁手 |
| 投打 | 右投右打 |
| 身長・体重 | 194cm・100kg |
| 出身校・チーム | 山梨学院高校 |
| 最速球速 | 152km/h |
| 得意球・プレースタイル | 最速152キロのストレート、二刀流 |
| 主な実績 | 2025年春センバツで152キロ記録 2025年夏の甲子園2回戦で6回1/3を1失点 高校通算25本塁打 来秋ドラフトの目玉候補 |
ネット裏に集結したプロ球団のスカウトもそのポテンシャルの高さを高く評価している。菰田投手の今後の成長が、プロ野球界全体の注目を集めている。
参考記事
- スポニチアネックス 2025年8月13日 - 大谷級怪物 山梨学院・菰田 6回までノーノー
- 中日スポーツ 2025年8月12日 - 山梨学院・菰田陽生、甲子園初先発で6回までノーノーの快投