2年生コンビが描いた勝利のストーリー
この日の主役は2年生の投手陣だった。先発した新垣有絃(2年)は初回に先制を許したものの、そこから見事な立ち直りを見せる。140キロ台中盤の直球を軸に、スライダー、チェンジアップを効果的に織り交ぜた投球で日大三の強打線を翻弄した。
特に印象的だったのは4回の投球だろう。1死満塁という絶体絶命のピンチを迎えたが、新垣は冷静さを失わなかった。後続を二飛、遊ゴロに打ち取り、危機を脱出。5回からは3イニング連続でパーフェクト投球を展開し、チームに勢いをもたらした。
8回2死二塁の場面で背番号1の末吉良丞(2年)にマウンドを託すと、大会屈指の左腕が日大三の反撃を封じ切った。2年生リレーで掴んだ栄冠は、まさに次世代の力を象徴するものだった。
少ないチャンスを確実に生かした攻撃陣
打線は決して派手さはないものの、勝負どころでの集中力が光った。初回に先制を許した直後の2回、2死二塁から7番・阿波根裕(3年)が左越えに同点二塁打を放ち、すぐさま試合を振り出しに戻した。
勝ち越しの場面となった6回には、先頭の宮城泰成(3年)が右前打で出塁。送りバント失敗で2死となったが、宮城が二盗を決めると、4番・宜野座恵夢(3年)が左前に勝ち越しの適時打を運んだ。8回にも宜野座が左中間二塁打で加点し、2打席連続タイムリーで勝利を決定づけた。
沖縄全体の思いを背負って
決勝進出が決まった約2時間後、日本トランスオーシャン航空が那覇-関西便の増便を発表。発表後すぐに全席完売となる熱狂ぶりだった。クラウドファンディングでは目標の1000万円をはるかに超え、試合開始時には支援額が1500万円を突破していた。
アルプスには大応援団が陣取り、声援と指笛で選手たちの背中を押し続けた。1962年に沖縄高校として初出場した際は1回戦敗退。それから63年をかけて築き上げた歴史の集大成が、この日の歓喜の瞬間だった。
選手基本情報
末吉良丞
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 名前 | 末吉良丞(すえよし りょうすけ) |
| 学年 | 2年生 |
| ポジション | 投手 |
| 投打 | 左投左打 |
| 身長 | 175cm |
| 体重 | 89kg |
| 背番号 | 1 |
| 出身 | 沖縄県 |
| 最速球速 | 150km/h |
| 得意球 | ストレート、スライダー、カーブ、フォーク |
| 特徴 | ガッチリとした体格から投げ下ろす力のあるストレート 多彩な変化球を操る大会屈指の左腕 |
新垣有絃
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 名前 | 新垣有絃(しんがき ゆづる) |
| 学年 | 2年生 |
| ポジション | 投手 |
| 背番号 | 10 |
| 出身 | 沖縄県 |
| 球速 | 140キロ台中盤 |
| 得意球 | ストレート、スライダー、チェンジアップ |
| 特徴 | 冷静な投球術と効果的な変化球の使い分け ピンチでの集中力が持ち味 |
春は2度の優勝経験があった沖縄尚学だが、夏の頂点は初めて。人々の思いを背負い、自分の持てる力を出し切った選手たちによって、歴史的な瞬間が訪れた。来年のドラフトでも注目される末吉良丞を中心とした2年生世代が、さらなる高みを目指していく。
参考記事
- スポニチアネックス 2025年8月23日 - 沖縄尚学悲願の初優勝詳報
- 西スポWEB OTTO! 2025年8月23日 - 決勝戦試合経過と結果