序盤6失点から見事な修正力
1-6の3回に一挙4得点で1点差に迫り、5-6の8回に3得点を挙げる劇的な逆転劇。その中心にいたのが杉本真滉だった。
2回に打撃妨害や長打も絡められて5失点、3回にもソロ本塁打を被弾するなど、序盤で6失点と苦しんだ。しかし、ここからが真骨頂だった。同校OBの阪神・村上が自主トレに来た際に聞いたマウンド上での心持ちを思い出して修正した。
「ここまで打たれたのは初めて。(小坂監督から)"冷静になれ"と言われて落ち着くことができた」と杉本真滉は胸をなで下ろした。
4回以降は別人の投球
小坂将商監督からも3回終了時に「冷静に放れ」と助言を受けて生かした。「リラックスできた。焦りや悔しさが出て力みにつながっていた。マウンドでの内面的な気持ちを教えてもらったことを思い出した」と4回以降の無失点につなげた。
この日の最速は145キロで、最終回には143キロもマーク。9回6安打15奪三振6失点(自責1)と修正して、逆転勝利に結びつけた。小坂監督も「悪いなりに4回以降は普段通りに投げてくれた」とたたえた。
監督が絶賛「伊原より全然上」
村上頌樹や伊原陵人(ともに現阪神)を育てた小坂将商監督は「(2回の)5失点は物凄く勉強になったと思う。タイプは違うけど、伊原より全然上です」と杉本真滉への信頼を寄せた。
177cm84kgとガッチリとした体格から最速147キロの威力ある真っ直ぐを投げ込むプロ注目高校生左腕。ベースバンでも威力が落ちない直球が最大の魅力だ。
プロスカウトも絶賛の評価
この日はバックネット裏から複数のNPBスカウトがチェック。DeNA藤田スカウトは「体力がある。途中から切り替えられるメンタルもある。バッターへの姿勢もいい。真っすぐが低めに決まり出すと打てない上にスライダーもいい」と絶賛の言葉を並べた。
試合後、杉本真滉は「自分は高卒でプロに行きたい」と明かした。同世代では沖縄尚学・末吉や聖隷クリストファー・高部、横浜・織田、山梨学院・菰田らが今夏甲子園で躍動。杉本もチェックしており、「負けているという気持ちを持って、上回れるようないい投手になっていきたい」と思い描いた。
センバツ出場へあと1勝
来春センバツ出場へ当確ランプがともる4強入りまであと1勝。「甲子園は注目もされますし、強い高校ともできる。自分の実力を試したいですし、高校野球の聖地なので目標でもある」。
次戦で東洋大姫路(兵庫3位)を破って、5年ぶりのセンバツ出場を確実なものにする。杉本真滉の成長と智弁学園の復活が、いよいよ現実味を帯びてきた。
選手基本情報
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 名前 | 杉本 真滉(すぎもと まひろ) |
| 学年 | 2年生 |
| ポジション | 投手 |
| 投打 | 左投左打 |
| 身長・体重 | 177cm・84kg |
| 出身地 | 兵庫県明石市 |
| 最速球速 | 147km/h |
| 得意球 | ストレート、スライダー、カーブ |
| 身体能力 | 50m走6秒9、遠投90m |
| 主な実績 | 1年夏甲子園出場 来秋ドラフト候補 |
178球完投という驚異的なスタミナと、6失点から立ち直る精神力。杉本真滉が見せた成長は、智弁学園の5年ぶりセンバツ出場への大きな原動力となっている。「伊原より全然上」という監督の言葉が現実となる日も近いかもしれない。
参考記事
- Yahoo!ニュース 2024年記事 - 智弁学園大逆転勝利詳報
- Yahoo!ニュース 2024年記事 - 杉本真滉の完投勝利とプロ志望