169球の激闘を制した2年生左腕
9回1死一、二塁のピンチを鮮やかに切り抜けた末吉良丞。続く10回には1死満塁のサヨナラピンチでスクイズをファウルにし、一直併殺でスコアボードにゼロを刻むとマウンドで雄たけびを上げた。
そして11回、敵失で勝ち越しの1点を奪うと宜野座が左越えの適時三塁打で一気に2点を勝ち越した。その裏、球数が160球を超えていた末吉良丞が仙台育英の反撃を封じ込めた。
140キロ台中盤のストレートを軸に2桁奪三振をマーク。今大会無失点を続けていた末吉良丞だったが、初回に先制タイムリーを浴びる苦しいスタートとなった。それでも持ち前の粘り強さで立ち直り、最後まで投げ抜いた。
吉川151球の熱投実らず
一方の仙台育英・吉川陽大投手も151球の熱投を見せた。10回表には1死二、三塁のピンチを鮮やかに切り抜けるなど、再三のピンチを迎える度にギアを上げて粘りの投球を続けた。
しかし11回裏、味方の失策から勝ち越し点を奪われ、宜野座に左越えの適時三塁打を浴びた。その裏の反撃で吉川が最後の打者となり、二ゴロに倒れて一塁ベースにヘッドスライディングしたものの、アウト。その後、起き上がることができず、仲間に抱えられながら整列に向かった。
「まだまだ仲間と野球がしたかった」と涙が止まらない吉川陽大。「打力に自信のない自分を立たせてくれて、須江先生の感謝と仲間の顔が浮かんできて」と突っ伏した理由を明かした。
試合を決めた11回の攻防
沖縄尚学は初回に先制を許したものの、すぐさま同点に追いつき、3回には比嘉の左越えエンタイトル適時二塁打で勝ち越しに成功。その後逆転を許したが、7回に真喜志が同点タイムリーを放って試合を振り出しに戻した。
再三チャンスを作りながらもなかなかあと一本が出ない状況が続いたが、11回の価値ある一打で流れを変えた。
仙台育英も初回に4番・捕手の川尻結大のタイムリーで先制し、今夏の甲子園で無失点だった末吉から価値ある1点を奪った。5回には再び川尻結大の左前2点打で試合をひっくり返すなど、最後まで粘り強く戦った。
監督とエースの信頼関係
試合後、比嘉監督は末吉の投球を「末吉の粘りの一言に尽きる」と評価。169球を投げ抜いた左腕は「少し疲れました」とはにかみながらも、仙台育英・吉川との投げ合いについて「追い込んでから空振りを取れる。素晴らしいピッチャーだなと思いました。負けたチームの人たちの思いを受け継いで戦いたい」と力を込めた。
選手基本情報
末吉良丞(沖縄尚学)
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 名前 | 末吉良丞(すえよし りょうすけ) |
| 学年・年齢 | 2年生・17歳 |
| ポジション | 投手 |
| 投打 | 左投左打 |
| 身長・体重 | 175cm/89kg |
| 背番号 | 1 |
| 出身校・チーム | 沖縄尚学高校 |
| 最速球速 | 150km/h |
| 得意球・プレースタイル | ストレート、スライダー、カーブ、フォーク 粘り強い投球 |
| 主な実績 | 春夏通算30勝 2年春選抜:青森山田戦完投勝利 今大会:169球完投、2桁奪三振 |
吉川陽大(仙台育英)
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 名前 | 吉川陽大(よしかわ あきひろ) |
| 学年・年齢 | 3年生・18歳 |
| ポジション | 投手 |
| 投打 | 左投左打 |
| 身長・体重 | 175cm/70kg |
| 背番号 | 1 |
| 出身校・チーム | 仙台育英高校 |
| 最速球速 | 147km/h |
| 得意球・プレースタイル | ストレート、スライダー、カット、カーブ、チェンジアップ 勝負根性、三振奪取能力 |
| 主な実績 | 今大会:151球熱投 元バレーボール日本代表の両親を持つ |
2年生と3年生、同じ左腕同士の壮絶な投げ合いは末吉に軍配が上がった。沖縄尚学は準々決勝でさらなる躍進を目指し、仙台育英は3年生にとって最後の夏が終わった。両投手が見せた熱い戦いは、甲子園の歴史に刻まれる名勝負となった。
参考記事
- デイリースポーツ 2025年8月17日 - 夏の甲子園 沖縄尚学が死闘制し2年ぶり8強進出!
- デイリースポーツ 2025年8月17日 - 夏の甲子園 仙台育英が壮絶な敗戦