須江監督の後押しで決断
「自分の力をしっかり出し切れたかなと思うんですけど、もっと出したかったなと思います」
延長戦の激闘を終えた高田庵冬は、そう振り返った。甲子園2回戦の開星戦では高校通算31号となる左越えソロ本塁打を放つなど、最後まで持ち前の長打力を発揮した。
進路について高田庵冬は重要な決断を下した。「須江先生から背中を押していただいて、こんなチャンスは全くないと言ってもらっているので、志望届を出すことを決めました」
須江航監督の言葉が、高田庵冬の背中を押した形だ。182cm、90kgの恵まれた体格に加え、50メートル走6秒2、遠投115メートルという高い身体能力を持つ右の強打者。その潜在能力を須江監督も高く評価している。
「打つだけのバッターじゃない」
自身のセールスポイントについて高田庵冬は語る。「打撃を見てほしいですが、打撃があった中での足であったり守備であったり、打つだけのバッターじゃないところを見ていただきたい」
高校通算30本塁打を誇る長打力だけでなく、俊足と広い守備範囲も兼ね備えた総合力の高さが魅力だ。盗塁も得意とし、須江監督からは「歴代No.1の飛ばす力」と評価されている。
吉川は進路に悩み
一方、151球を投げ抜いたエース・吉川陽大の心境は複雑だった。「まだまだ野球がやりたかった…」。延長11回の末の敗戦に、涙が止まらなかった。
「仲間に支えてもらって、1番を付けさせてもらったので感謝を伝えたいです」
3年間で最も成長できたことについて「人に対しての思い、人間性」を挙げた吉川陽大。「中学時代までは野球だけしておけば良いと思っていた。仙台育英じゃなかったらこんな自分になっていなかったと思うので、須江先生や猿橋部長に感謝の気持ちでいっぱいです」と人間的な成長を語った。
「踏ん張れない自分を考えたら…」
進路について吉川陽大は慎重な姿勢を見せている。「須江先生と話して決めていきたいと思います」としながらも、「プロに行きたいなという気持ちもあるんですけど、ここで踏ん張れない自分を考えたら、考え直さないと…」と明言を避けた。
延長戦で力尽きた悔しさが、進路選択にも影響を与えているようだ。最速145キロの速球と精度の高いスライダーを武器に、春の宮城県大会では8回2/3を投げ12奪三振無失点の好成績を残していた左腕だけに、その決断が注目される。
対照的な2人の選択
高田は須江監督の後押しを受けてプロの道を選択し、吉川は自分自身と向き合いながら熟考を続ける。同じチームで戦った2人の主力選手が、それぞれ異なる道のりを歩むことになりそうだ。
選手基本情報
高田庵冬(一塁手)
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 名前 | 高田庵冬(たかだ あんと) |
| 学年・年齢 | 3年生・18歳 |
| ポジション | 一塁手 |
| 投打 | 右投右打 |
| 身長・体重 | 183cm/88kg |
| 出身校・チーム | 仙台育英高校 |
| 得意球・プレースタイル | 強打、俊足、広い守備範囲 |
| 主な実績 | 高校通算30本塁打 甲子園2回戦:左越えソロ本塁打 50m走6秒1、遠投105m |
吉川陽大(投手)
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 名前 | 吉川陽大(よしかわ あきひろ) |
| 学年・年齢 | 3年生・18歳 |
| ポジション | 投手 |
| 投打 | 左投左打 |
| 身長・体重 | 175cm/70kg |
| 出身校・チーム | 仙台育英高校 |
| 最速球速 | 147km/h |
| 得意球・プレースタイル | ストレート、スライダー、カット、カーブ、チェンジアップ 勝負根性、三振奪取能力 |
| 主な実績 | 春宮城県大会:8回2/3で12奪三振無失点 東北大会:2試合11回1/3で13奪三振1四球 甲子園:151球完投 |
まとめ
仙台育英の名門で共に汗を流した2人。それぞれが選ぶ道は違えど、高校3年間で培った経験と絆は、今後の人生の糧となるはずだ。
参考記事
- スポニチアネックス 2025年8月17日 - 【甲子園】仙台育英・高田庵冬「力を出したが、もっと出したかった」プロ志望届提出へ
- スポーツ報知 2025年8月17日 - 涙の仙台育英・吉川陽大 進路は「プロに行きたいなという気持ちもあるんですけど…」